【刀剣乱舞】右手に黒薔薇、左手に拳銃 (ページ11)

今日:8 hit、昨日:31 hit、合計:7,831 hit

7話｢それはきっと、暫定でしかない決定。｣ページ11

部屋を移動し、再びあの密室に辿り着いた。そこで奥のソファーに僕と蛍丸が、手前のソファーに雪落が座る。

｢で？プランってのはいくつ考えるんだい？｣
｢僕の中ではざっと10通り考えてある。その中からあなた達の意見を聞き、5つに絞り込もうと思っているんだ｣
｢10か。お聞かせ願おうか｣

雪落が煙草を取り出し火をつけ、ふうっと煙を吐き出しながら問う。はあ、僕は煙草が嫌いだと言うのに。だって、美しくない(・・・・・)からね。

｢では難易度の低い順番に言おうか｣

こつ、こつ、とローファーて床を叩きながら、僕は回答した。

｢暫定プラン1、刀剣男士全てが友好的に対応してきた時。この場合懐柔工程が要らないため、そのまま情報入手フェーズに移行する。暫定プラン2、敵意を一部刀剣男士のみ示してきとき。この場合、その一部を無視して(・・・・)残りの刀剣男士と接する。暫定プラン3、友好的態度を一部刀剣男士のみ示してきた時。この場合入手出来る情報が減るため、その他刀剣男士の懐柔工程へ移行する。友好的態度を向けてくる刀剣男士に協力を得ながらね｣

すっと足を組み直し、その膝の上に手を組んで置きながら僕は続ける。淡々と。

｢暫定プラン4、刀剣男士に敵意はないがこちらにも関心がなく協力の姿勢が見られない時。この時は懐柔工程に移行する。暫定プラン5、刀剣男士がこちらを明確に拒否している時。この場合、懐柔以前にこちらを受け入れてもらうよう説得する必要が出てくる。これには心理的駆け引きが必要だよ｣

真顔で煙草をくゆらせながら僕を見る雪落と、足をぷらぷらとさせながら僕の話を聞く蛍丸。それにも構わず、やはり僕は続けた。

｢……ここから先になって、初めて蛍丸の協力(・・)が必要になる。暫定プラン6、殺意を一部刀剣男士が向けてきた時。この時はこちらも真摯に対応(・・・・・)させていただこう。意味は分かるね、蛍丸｣
｢うん、多分。主さんに危害を加えられないように立ち回ればいいんだよね｣
｢おおむねその通り。さて、暫定プラン7、半数前後の刀剣男士が殺意を向けてきた時。こちらも暫定プラン6と同様だけれど、注意しなければならないのは立ち回り方だ。誰が無関心で誰が敵か(・・・・・・・・・・)をよく見極めないといけない｣

こつ、こつ、と僕がローファーで床を叩く音だけが響いている。

｢暫定プラン8、殺意を大半の刀剣男士が向けてきた時。こちらの身を守りながら動かないといけない｣