【刀剣乱舞】愛せないから愛させない。* 肆色*

70色目 ｢本当にどこまで行こうとも私は永遠に普通にはなれない｣。 ページ37

霊的才能は、ない。なるほど。それが｢霊力は普通｣ってことか。こういうのって普通あれなんじゃないのか？霊力の量とか質とか、普通膨大なんじゃないのか？それがお約束では？
まァ私は違ったみたいだが……。

黙ったままの私を見てもなお、朱月さんは続ける。

｢霊力が普通でしかないAさんが、今日まで無事でいられているのは……正直奇跡です。本当に、危険だと思ったらいつでも緊急ゲートでもなんでも使って政府庁に逃げてきて構いません。刀剣男士の身体能力は、人間を遥かに上回ります｣

……うん？｢遥かに｣上回るのか？やっぱそうなんだ？

｢それだったら、問題ないですよ。今日私、粟田口連中の一部と、あと鶴丸と獅子王、それから今剣とで鬼ごっこしましたから｣
｢鬼ごっ……えっ？は？うん？なんて？｣
｢鬼ごっこです鬼ごっこ。増え鬼。最終的には薬研に捕まっちまったんですけど、それでも複数の刀剣男士から15分以上逃げ回れるだけの身体能力はあります｣
｢えっ？複数の刀剣男士から15分以上……複数の刀剣男士から15分以上逃げ回れるってなに？うんちょっと待って？｣
｢あはァ……｣

やっぱり普通じゃないんだな。そうか……だよな、そもそも男士達だって驚いてたんだから人間なんてもっと驚くはずだ。
ため息をつきながら、私は少し躊躇しながら言った。

｢私、そういう風に生まれてるんです。そういう風に出来てる。だからこんな本丸でも生き残れる自信がある｣
｢……｣

ぽかんとしたまま動かない朱月さん。そりゃそうか。そうだよな、普通の人間はそんなことできないだろうし。

｢霊力がなくたって、私はこの身体能力で生き延びてやりますよ｣
｢そっ……そう、です、か……｣

何も理解ができないと言うように硬直している。しかしそのうち我に返ったのか、再び咳払いをして朱月さんは私に呼びかける。

｢……油断は禁物ですからね。それからいつでも、相談は受け付けています。もちろん俺の仕事の都合もありますけどね｣
｢お心遣い、感謝します｣

ペコッとお辞儀をして、そのあとハッとしたように朱月さんは腕時計を見て言った。

｢やっべ、次の案件のとこ行かねぇと……それじゃあAさん。また何かあればご連絡を｣
｢了解です。今日はありがとうございました｣

朱月さんがゲートの方に向かったのを確認したあと、急に誰かが後ろから肩を揺らしてきた。誰かと思って振り返ると……。

｢ちょっ……あるっ……｣

加州が、青い顔をして私を見ていた。

71色目 ｢三条派ってなんかあれみたいな雰囲気？裏組織的な｣。→←69色目 ｢ようやく霊力の｢普通｣がなんとなく理解出来たような？｣。

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す