69色目 ｢言葉でできない説明の代わりに、誰かこの概念を体験してくれ｣。 ページ26
｢すごいもんだろ、気持ち悪いか？｣
ニコッと笑って、山姥切に問う。何か恐ろしい敵でも見るような目を向けてきたのが分かる、まァそうなるだろうな。
｢これが色の正体って言ったらあれだけど。私には、色が見えてる。視覚的な色じゃないぞ？ 感情や思考が、｢色｣として感じ取れるんだ。ちなみにこの色が見えるってのはどうやら一般的なことではないらしいというのは昨日知ったから、あまり詳しいことは聞かないでくれ。私も分からないから｣
分からない、信じられない、何者なんだ、呪具でも持っているのか。って言いたげな色を、山姥切が纏い始める。どうやら今日は調子がいいらしい。
｢うーんその呪具ってのはよく分からないんだが、何者かって言われれば……とりあえず私は昨日審神者になったばかりの新人で、政府の手違いでここに送られてきただけのただの10代少女だってのは伝えておく。ああ、そうだ、審神者名はA｣
色が混ざる。感情が混ざる。驚愕、動揺、混乱、敵意、安心……安心？ なんで？ 私今、こんな怪しいことしか言ってないのに？
まァいい、考えてたって無駄だ。恐らく山姥切が1番聞きたいであろうことを、今は言わなければ。
｢それで……そうだな、お前のなんの色が個人的に好かないかと言われれば……なんて言えばいいんだ？私が見ている、そういった感情とか思考とかの色が……お前の纏う感情の色が、なんかこう……なんか……形容しがたくて……えっと……とりあえず、その感情の｢色｣は私の好きな色ではなかったというか……うん｣
｢……｣
訝しげに、山姥切は私を見る。うん、こんな意味のわからない、説明にもなってない説明じゃそう簡単に信じては貰えないよな。
だから私はずいっと山姥切に近づき、腕を伸ばしてサラリとした金髪を指に通した。
｢私の言う色は、だから、お前の目の色でもなければ髪の色でもない。肌の色でも服の色でもなく、ただ私にしか見えない色のない色のことだ。山姥切に非はないよ。そうだな、山姥切の目の色も髪の色も、私は好きだがな｣
｢…………やめろ｣
｢ああ、ごめん。嫌だったか？｣
何も言わず、ただふいっと顔を背ける山姥切。
疲れて色覚を切ってしまったしさっきので集中しすぎたし……なんか面倒になってきたから色を見るのを少しやめたら、山姥切が何を考えているのかよく分からなくなってしまった。……けどまァいいか、分かる方が本当はおかしいんだから。
70色目 ｢一応言うが全員ちゃんと手は洗いました｣。→←68色目 ｢ジャガイモはあとで私が裏庭に投げておいた｣。
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蜂蜜パスタ(プロフ) - 雪さん» コメント、応援ありがとうございます。是非楽しみにしていてくださいませ！(^^*) (2021年1月18日 17時) (
レス) id: d4825d5ace (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 頑張って下さい(●´▽`●)加州くんとの絡み楽しみにしてます (2021年1月14日 22時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 蜂蜜パスタさん» おめでとうございます！白山、無事に出で良かったですね！ (2020年3月17日 10時) (レス) id: 4b4e0cfc72 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜パスタ(プロフ) - ニコさん» コメントありがとうございます。白山、無事に出ました。応援までしていただきとても嬉しいです。ありがとうございます´`* (2020年3月17日 10時) (レス) id: 8664ad2299 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 白山早く出るといいですね！頑張ってください！(ﾉ≧∀)ﾉファイトォ─────!! (2020年3月9日 21時) (レス) id: 4b4e0cfc72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜂蜜パスタ | 作成日時：2020年3月5日 22時
