懐かしそうな横顔《side 緑谷》 ページ14
☆
「あれ、Aくん？」
『！イズク』
.
どこかで見たことがあるな、と思っていた後ろ姿の主はやはりAくんだった。結局有耶無耶に終わってしまったあの後、かっちゃんが話しかけようとした(いや、もはや殴りかかろうとしてた)時、Aくんは相澤先生に呼ばれて教室を出てしまっていた。とばっちりは僕に来てしまったけれど、途中まで帰っていた麗日さんと飯田くんはAくんの行動を否定することはなかった。
..
彼の言い分は正しい、
あの場ではAくんの言葉が全て当てはまっていて、まだまだ未熟だなと飯田くんは反省していた。そんなことないよと麗日さんと励ましつつも凄まじい判断力と行動力だと最終的にはAくんを褒める会になっていた。
.
『‥なあ、これなに？』
「？コロッケ、だね、」
『ころっけ？』
.
先に帰ったはずであろうAくんはコロッケ屋さんの前で一人静かに佇んでいた。女の人たちがそれを見逃すはずもなく話しかけようか話しかけまいか‥と競り合っている中で彼の横に並ぶと食べたそうに目を輝かせるAくんの姿が目に映った。
..
食べてみる？
そう聞くと彼は物凄い勢いで頭を振った。僕も無性に食べたくなって二つ注文するとAくんは自分が払うと言い始める。僕は今日のお礼も兼ねて奢らせてくれと頼み込んだがそれはこっちのセリフだと面の良い顔で迫られ、渋々了承してしまった。
.
「2個で200円な！」
『200円..ああ、200マドルか』
「(マドル？)」
.
お金の使い方とか分からないかな･･･？と思っていたけど余計な心配だったようで、彼は慣れたように小銭を取り出して会計の人に渡している。2個しか買っていないのに袋に詰められたのが驚きだったのか返そうとするAくんに向かって笑顔の店主さんがオマケだよ、と呟く。
..
中には買った分に加えてもう一つコロッケが入っていて、Aくんはそれにも驚いていた。オマケ、という言葉を何度も何度も呟きながら店主さんを見て軽く頭を下げる。お店を後にする中でまた来ます、と呟いた彼はお店の名前と場所を刻みつけるようにしばらく見つめていた。
.
『‥あちっ、っち』
「Aくんってもしかして猫舌？」
.
この国の食べ物は食べにくい物が多い。
初めて食べるコロッケを満足そうに頬張る中で明後日の方向を向く彼は何だか遠い目をしている。
でも、それはどこか楽しそうでどこか懐かしさを感じている横顔だった。
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あんじぇ - 続いて欲しいです、、！ ハーツのみんなとか迎えに来て欲しい、、！！ (2023年4月10日 14時) (
レス) @page18 id: b2ea277b14 (このIDを非表示/違反報告)
ありす - いつか更新されるの待ってます！ (2022年3月7日 22時) (レス) id: 7b13a546d2 (このIDを非表示/違反報告)
フロイド大好き - ハーツラビュルのフロイド、、、ｗｗ最高ですｗ続き楽しみにしてます！！ (2022年1月1日 22時) (レス) @page17 id: 02079f421c (このIDを非表示/違反報告)
い - 最高です！男主くんのキャラも最強。。。 (2021年12月29日 19時) (レス) @page17 id: 9afd2abc65 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好き(プロフ) - ヒロアカもツイステも好きでコラボしている小説を探してました。作者さんの男主君のキャラも大好きです！更新楽しみに待ってます(*^^*) (2021年11月18日 18時) (レス) id: da2e64dd7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夾
| 作成日時：2021年7月21日 17時
