［○魂］やっぱり俺は変わらない【男主】

15-便所で生まれるのは汚れたものばかり(1) ページ35

銀時「！！」



銀時は慌てて体を起こす。悪い夢を見ていたようだ。
すると、桂が部屋に入ってきた。


桂「ガラにもなくうなされていたようだな...」

銀時「ヅラ...なんでてめーが...」



そこで、新八と神楽が連れ去られたことを思い出す。
それにAもあの場に置いていてしまった。

今すぐに向かおうと思い、体を動かすも、ものすごい痛みのせいで起き上がれず、そのまま倒れてしまった。

桂が呆れて口を開く。



桂「無理せぬがいい...左腕は使えず、肋骨も何本かやられている。むこうの娘はもっと重症だ...。まぁ、一番心配なのはAだがな...」

銀時「！！Aは...！！」


桂が銀時の奥を見る。
銀時もそちらへと目を向けると、静かに寝ているAがいた。



桂「血だらけだったんだ。いったいお前達は何を...」

銀時「血だらけって...よほどの傷じゃ...」

桂「いや、無傷だ。」

銀時「...??」



銀時は頭にはてなを浮かべる。
無傷なのに血だらけ？どういうことだ。

桂は深刻そうに重たく話す。


桂「全部、返り血だった...ということだ。それに加え、薬でも嗅がされたんだろう。意識が朦朧としていた。」

銀時「返り血...」

桂「...Aがなぜ''赤時雨''と呼ばれているか...それは知っているだろう。」

銀時「.....。」


確かに、それを思い返せば無理もない。
赤時雨なんて異名、理由もなしにつくはずもない。

大事にならないといいが...。



『....別に俺はなんともねーよ』

桂.銀時「！！」



突然、Aが目を開いて話す。
そしてゆっくりと体を起こした。


『はぁ...慣れてるって、大丈夫....』

銀時「Aーーっ！！！ッダァ！！！」



銀時がAに飛びつこうとするも、また体が言うことを聞かず、倒れこんでしまった。
それをAと桂は呆れた目で見る。


桂「A、体は大丈夫なのか？」

『あー...大丈夫、薬に中毒になる前に中毒になってる物があるから！！』



甘いものとマヨネーズ！と元気に答える。
心配なさそうだな、と桂は一息ついた。

すると、銀時が「あ、」と声を漏らした。



銀時「というか、あいつらはなんなんだ。」

『それ。俺もしらねぇ。ヅラ、知ってるだろ。』

桂「あぁ...。宇宙海賊''春雨''という。銀河系で最大の犯罪シンジケートだ。」


銀時はゆっくりと立ち上がり歩き出した。


銀時「仲間が拉致られた。今すぐにいかねぇと...」

桂「お前、そんな体で...」

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