あなたは誰？ ページ14
そして、
ポポッ…
６回目の鳩時計がなった。
｢…!!｣
６時だ…!!!
私は身も心も恐怖から解放され
勢いよく扉を開ける。
目の前には
安心して息を吐いたお兄ちゃんの顔。
｢お兄ちゃんっ！｣
｢錦子…！……よかったっ…！｣
私はお兄ちゃんの胸へ飛び込んだ。
お兄ちゃんと
抱き合うのなんていつぶりだろう？
…すごく恥ずかしいが
今はどうでもいい。
私は…はいべえさんから逃げれた……
みんな、そっちに行けへん…
でもっ…みんなの分まで頑張るからっ…
私は６人が見守ってくれているだろう
空を見上げる。
｢えっ？｣
私は空を見上げて違和感を感じた。
｢空が…暗い……？｣
６時なのに、
空は真っ暗だった。
嘘…鳩時計は確かに６回目なったのに…
私は鳩時計を見る。
…鳩時計がない……？
私は我に返った。
…なんで気付かなかったんだろう…？
私の家には１個も鳩時計なんて無いのに……
｢どうした、錦子？｣
耳元で聞こえる声にゾクッとする。
｢貴方は……誰………？｣
おそるおそる、お兄ちゃんの顔を覗く。
｢…まだ気付かない？
本当に『馬鹿』だな。｣
ククッと嘲笑うお兄ちゃん。
違う、嘲笑う……『はいべえさん』。
｢６人全員、君を待ってるよ、錦子。｣
周りを見ると
倉子、安子、丸子、
すば子ちゃん、村子ちゃん、横子ちゃんがいた。
でも明らかに…
死んでる人の顔だった。
｢みんなっ…
なぁっ
なんでそんなに悲しそうな顔をするん…？
……ドッキリなんやろ？
私を…驚かせたかったんやろ？
なんでそんなに生気がないんっ…？
なんで手招きしてるのっ……？｣
不気味だがどこか
悲しそうな６人が私を囲んだ。
三日間の話なのに
私は皆の顔を久しぶりに見た気がして
一瞬だけでも
これで死んでもいいかな…
と思ってしまった。
お兄ちゃんはニヤリと笑って
私の目に手を持ってきた。
私は暗くて目をつぶった。
そして…意識を手放した。
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ハル(プロフ) - みつばさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！ お兄ちゃんたちが助け出すお話…できたら頑張ってみます！ 書けなかったらすいませんっ…^^; 面白いと言っていただけて嬉しい限りです！ありがとうございます！ (2017年12月28日 14時) (
レス) id: a1d9ec8253 (このIDを非表示/違反報告)
みつば(プロフ) - とても面白かったです！はいべえさん続き見てみたいなって思っちゃいました(´._.`)お兄さん方の妹さんを取り戻すようなお話しが見てみたいなぁなんて汗とにかくとても面白かったです！！ (2017年12月26日 0時) (レス) id: 61c4e22e0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2017年12月8日 17時
