No.102 ページ28
田中、西谷の手綱を握る縁下を見てにこやかな空気が口から漏れ出る。
『…ンフ、犬と、飼い主みたい』
一喜一憂する単細胞2人も、それに振り回されたり、たまに頭脳を見せてまとめあげたりする縁下も、3人合わさると特に。かなり犬と飼い主に見えた。
菅原「あ〜。俺もたまにそれ思う。西谷はあの〜、小さめの…でもかっこいい感じの日本犬でさぁ」
東峰「田中は、なんか、元気犬だよな」
澤村「元気犬て」
『ビーグルとか。ぽいですよね』
澤村「川崎は真っ白ふわっふわのマルチーズとか、ポメラニアとかのイメージあるな。可愛いけど、ちょっと凶暴なやつ。チワワほどじゃないけど」
数秒言われたことを理解するのに時間がかかった。
自分は当然のように面倒を見る側、人間サイドのつもりであったので犬種を出されてびっくりしてしまった。
『……あ、え?私犬側なんですか?飼い主側じゃなくて?』
菅原「そうか?やっぱ川崎、茶髪だし茶色いポメの赤ちゃんみたいな顔してるべ」
『変わらず犬だしなんなら更に赤ちゃん要素まで追加された。え?私、リード掴む側じゃないですか?ねえ?』
清水「私も、菅原に賛成。丸くてちゃんとトリミングされた茶色いポメラニアンの赤ちゃん…だと思う」
『しっかり目見て言われた。試合後にこんな話真剣な顔で目を見て言われるもんじゃないのに』
なんにも話を聞いてくれない3年生にビックリする。よすよすとスガさんが少し丁寧に、多分私が時間をかけて髪を巻いたりする苦労をここ最近、合宿なんかで知ったからか優しく撫でてくれる。
その心地良さに目を瞑ると
澤村「川崎が犬たる所以はそういう所な」
『……………不覚…』
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