【文スト】そして貴方が世界で笑えるなら【短編集】

中島敦:甘い ページ2

______敦side




今日の僕は朝から不運な状態だ。



寝坊して朝食は食べ損ねるし、書類はミスばかり。外に出れば何故かいきなりの大雨。



その他にも悪いことは沢山ありすぎた。




敦「はぁぁ・・・・・」




ため息を吐き出し、机に突っ伏す。



お腹は空いたけど財布を忘れて昼も食べられなかった・・・・・・。




『こら！』




バシッ、と僕の頭を書類で叩くのはただ一人。Aちゃんしかいない。




敦「Aちゃん・・・・・・悪いんだけど、今の僕は君にやり返す力も無くて・・・」



『そんなことは知らん！それよりも書類の追加。んで、背筋も伸ばす！！』



敦「ううっ・・・・・・」




その時、タイミング悪く僕のお腹が鳴った。最悪だ。




『なんだ？昼食を食べてないのか？』



敦「うん・・・・・財布もお弁当も忘れて・・・・・・」




また彼女に怒られてしまうだろうか・・・・・・。




『なら、丁度いいから敦にやろう』




僕の前に置かれたお菓子の山。



彼女はそんなに甘いものが好きじゃなかったはずだけど・・・・・。




『勘違いするな、乱歩さんのお使いのついでだ』




朝から大音量で腹を鳴らせば当然気づく、と言いながら背を向けるAちゃん。



優しいな、と思いながら僕は貰ったお菓子の１つである飴玉を口に入れた。



甘いその味に癒されたことだし、午後の仕事も頑張れそうだ。









・・・・・・ちなみに午後の依頼で外に出たとき、芥川と対面することになるのはまだ知らない。

条野採菊:本物:凜音様リクエスト→←共通の設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す