芥川龍之介:同じように ページ17
マフィアは裏切りを許さない。
裏切った者は死という道以外はない。
・・・例外はいるが。
『今日も真っ黒で真っ赤だね、龍之介』
不気味な笑顔で芥川と並んで歩く少女。
いつの間に、なんて一々反応することはなく、もう慣れたように無言で歩く。
『あれあれぇ?裏切り者の私がいるんだよ?始末しないの?』
楽しそうに芥川の周りをくるくると回る。
『・・・つまんないの、』
飽きれば、さっさと姿を消してどこかへ行ってしまった。
芥川「・・・また、か」
少女が消えたことを確認すると、芥川は静かにため息をついた。
彼女に進行方向を邪魔されたからではない、彼女自身に対してのことだ。
結論からいうと彼女は死んでいる。
つい先日、裏切りがバレた彼女は始末された。
・・・が、どういうわけか、彼女を始末した張本人である芥川の前のみ姿を現している。
しかも、始末された記憶はないそうだ。
最初こそ驚いたが、よく見れば彼女の体は透けており、生きていないことは明らかだった。
言葉を返してみても聞こえないらしく、無視が一番だと自己完結した。
何故こうも自分にしか姿を現しているのか。
芥川「何がしたいんだ・・・」
_____Aside
『龍之介ったら、今日も無視するなんて酷いなぁ』
私は勿論、始末されたときの記憶はある。
むしろ自分の死んだときを覚えてないわけない。
『龍之介は私が記憶がないと勘違いしてるし、私の姿が見えないだけでどこかへ行ったと思ってる・・・』
そんなわけないじゃん、今も龍之介の隣にいるよ。
姿を見せなくすることなんて簡単だし、逆に龍之介にのみ姿が見えるようにしてるんだよ?
『あぁ、"何がしたいんだ"だっけ?』
私がしたいこと、それは龍之介に私と同じように始末されてほしいんだよ。
私、実は裏切る前の組織は辞めたんだ。
ポートマフィアにいたいと思ったから。
でも、龍之介は私の経歴を調べて裏切り者だと思ったよね?すでに辞めた組織に属してる、と早とちりしてさ。
そのせいで私は死んだ。
許さないよ、私が龍之介を同じように始末してあげる。
せいぜい足掻いてみなよ。
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黒月夜*(プロフ) - 七海@月と星−−君と幸福な世界さん» 駄作なわけないじゃないですか!!そしてまさかのBlu-rayの予約・・・!? (2019年3月13日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - コメントありがとうございます!!ゆ、遺言!?死なないでください!!というより、遺言がそれでいいんですか?! (2018年12月13日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
河童系人間。(プロフ) - むり…尊い…すき……(遺言) (2018年12月13日 20時) (レス) id: 66413608c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - ハニーさん» あ、なんかすみません・・・・・( ・−・) (2018年11月22日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 澁澤さんの童話むり…しんどい…(´Д` ) (2018年11月22日 10時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒月夜 | 作成日時:2018年5月10日 21時