７話 ページ9
『ぅおわっ！！！』
一際大きな奇声を発しながら、放物線を描いて華麗に向かってくるビンをレシーブよろしくの勢いでお返しするもフタが開いてたのは予想外で、量にして半分程私にかかってしまう。
残りの半分は投げてきやがった人体模型にかかったがな！！ザマァミロ！！
全力で笑ってやりたいが美人さんに危害が及ぶ前に逃げるのが得策だろう、美人さんの腕を掴み思い切って窓を割る。
『舌、噛まないよーに願います！！』
美人さんを抱き締め、私が下になるよう窓から地面へと跳んだ。
バキッ、ボキッバキッ、ガサガサガサッ、ドサッ・・・・・・
音にするとこんな感じだろうか。
命は大事にするべきだから近場の木に向かって飛び降りたのだが、少し失敗したみたいで美人さんは無傷のようだが私は深々と腕に枝が刺さっている。
なかなかに痛いし、よく見れば私、かなりボロボロじゃね。夜目が効かなくて転けた時に出来たであろう掌と膝の傷、これも深いな。先程の人体模型がかけた酸と思わしきもので、それを弾いた腕と鎖骨部分が火傷みたいに爛れてる。あとはパーカー通り越して下のＴシャツまで溶けた箇所かな。
落とし物だけでこんなになるなんて思わなかった。
『ぶふっ！ヤバイよ美人さん、めっちゃ深い・・・・・・んふふっ』
人ってさ、痛いと笑っちゃう時あるじゃん。まさに今それなんだわ。草生えてる。
『え、Ｍじゃないけど・・・・・ふ、っ・・・・・・これは笑う・・・・・・！』
実家に帰った時に名誉の負傷として誉められるな、なんて的外れすぎることを考えていたら、美人さんの様子がどうもおかしいことに気付く。
『美人さん？』
ハッとしたように俯いていた顔を上げられ、それに驚いた。
「ごめ、ごめんな、さ、・・・・・・」
怯えたように真っ青になるから、いくら私でも普通じゃないって分かるよね。
『こんなの名誉の負傷ですよ！！』
安心させるように笑いかけるも、美人さんは青くなり震えが増すばかり。
「いやっ、・・・・・・私・・・・・・、」
フラりと立ち上がると校舎の中へ戻ってしまった美人さん。
『あらら・・・・・・』
追いかけるものが増えたな、呑気に考えながら立ち上がり腕に刺さった枝を引っこ抜けば血が溢れた。
・・・・・・取り合えず、保健室だな。
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のりまき - 凄く面白い、、、更新頑張ってください！楽しみにまってます！ (2021年11月4日 22時) (
レス) @page13 id: 43c85f48e1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 続き楽しみにしています (2021年3月26日 19時) (レス) id: ae7d8421ac (このIDを非表示/違反報告)
鈴菜 - ゆ、夢主も腐女子だと((( ｺﾎﾝとても楽しく読ませて頂いています！ 続編が楽しみですよ〜… なんか夢主が獄卒たちと親しげ(?)ってとこが良いよね！ (2020年8月15日 16時) (レス) id: 887197f4b6 (このIDを非表示/違反報告)
アヤト - 楽しんで読ませてもらってます！更新楽しみに待ってます! (2020年5月19日 8時) (レス) id: 3db13e33df (このIDを非表示/違反報告)
@羅夢(プロフ) - とても面白いです！あ、あれぇ？夢主と服装もカバンの中身もほぼ一緒だ!?更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年4月20日 18時) (レス) id: d2b13b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒月夜 | 作成日時：2020年4月1日 20時
