春、僕らは恋をする。【オリジナルBL】 (ページ9)

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海兎side

「お前さ……何でAの傍に居るの？言い方はきついかもしれないけど、Aは"普通"の奴とは違うんだぞ。」

Aが検査に向かった後疾風に話しかける。

残念ながら俺はAの担当医だけど同じ所に住んでるから担当医にさせて貰っただけで実際は違う科だから検査に同行は出来ない。

「知ってるよ、海兎兄。でもAって可愛いし？好きになっちゃった。」

ヘラヘラしながら答える疾風。

「軽い気持ちでAに好意を抱くな。」

Aは病気を患ってる。

しかも重いやつ。

そんなのAが聞くと悲しむ。

なのに…これ以上悲しむやつを増やしたくないんだ。

「軽い気持ちなんかじゃない。一生Aを愛す自信あるから。」

「お前はAの事を何も知らない。」

「そのくらい知ってる。だからこれから知っていく。」

そんな甘い考えが通るような状態じゃない。

そうか……言ってないから分からないんだ。

言おう。

言ってひいてもらおう。

そしたら悲しむ人が減る。

「疾風。Aは検査が終わってから1週間後……死ぬ。」

疾風の顔がみるみる変わっていくのがわかる。

悲しみなのか憎悪なのかよく分からない顔だ。

「は……？どういう事だよ。何で彼奴が死ななきゃなんねぇんだよ!!助かる方法ねぇのかよ?!」

俺の肩を掴んで揺らす疾風。

そんなの知ってる。

でも知ってるからこそ、言いたくないんだ。

分かってくれよ。

疾風。