story34 ページ35
「っていうかさ、この手術いつ終わんの?」
「分からない。2時間かもしれないし10時間かもしれない。長かったらもっとかかるなんてケースも無きにしも非ずってとこかな。」
「は?」
ふと気になったことを海兎兄に聞いてみたらこんなぶっ飛んだ答えが返ってきた。
嘘だろ?
「流石の疾風も分かるよね?長引けば長引くほど集中力は切れていくもの。例え休みをこまめにとってたとしても所詮は人間だからミスをする可能性も上がる。その分患者にも負担がかかる。」
「心配いらねぇって言ってたやつ誰だよ。」
「言ったよ。現に今手術をしてくれている人は病院1の腕前を持ってる。でも、上手いと言えど限界はある。」
「矛盾しまくりだけど。」
「してない。これは上手い下手関わらずある事だから。だからその分Aのことを信じてやれ。今までまともな愛を受けてきてないんだ。お前だけが頼りなんだよ。」
「俺は彼奴を信じてる。これからも。関係が変わっても……それだけは変わらない。」
「キザだなぁ。」
「キザでもピザでも何でもいい。」
「いやピザ何でも出てきたんだよ。」
それから俺達は手術が終わるまでAの事をずっと話していた。
今思えばお互い悲しいのを認めたくなくてそうし合ってたんじゃないかなって思う。
手術が終わったのはもう既に太陽が出てくる頃だった。
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作者名:クロスケ | 作成日時:2019年3月25日 1時