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story32 ページ33

Aside

「A、よく頑張ったじゃん。」

『どういうこと?』

「俺の前なら気を張らなくていい。」

やっぱり海先生は全部お見通しなんだね。

僕は崩れ落ちるようにして泣いた。

声は時々汚い嗚咽が聞こえるだけ。

疾風と離れたくない。

忘れたくない。

それから10分くらい泣き続けた。

もし声をきちんと出せていたなら廊下に嗚咽混じりの叫び声が響き渡ってたと思う。

手術前にこんなに泣いていいのか分からないけど海先生は何も言わずに僕を抱きしめてくれた。

何でだろう、こういう事をしてくれるのは海先生の方がいい。

疾風より過ごした時間が長いからかな……。

「落ち着いたか?」

『うん、もう大丈夫。心配かけてごめんなさい。』

「こうなるって事は大体分かってたから大丈夫。」

そう言って頭を撫でてくれた。

『ありがとう』




「じゃあ、この薬飲んで横になってて。その内に麻酔が回って睡魔が来るからその時は素直に寝てね?変に抵抗すると手術の時痛いだけだから。」

『分かった』

海先生が薬を置いて部屋を出ていって少し経った後睡魔が襲ってきた。

これでもう疾風会えないかもしれない。

けど、疾風を信じて今は手術をする。





「それでは、手術を始めます。」

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:クロスケ | 作成日時:2019年3月25日 1時

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