春、僕らは恋をする。【オリジナルBL】 (ページ31)

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朝ポスポスと布団の上から俺を叩く音で目が覚めた。

「ん。おはよ、A。」

チュとリップ音を鳴らして軽くキスをすると顔が真っ赤になった。

身支度をしている時俺の体をポカポカと叩いてたけど別に痛くはないしそれよりも可愛さが勝ってた。

『病院！早く行くぞ！』

もう昨日の事で吹っ切れたのか身支度が終わった俺をずっと急かしてくる。

「うんうん、行くけど先に朝ご飯ね。作るからちょっとまってて。」

今日は検査が終わった後例の手術がある。

Aが俺を覚えていられるのは今日まで。

悲しい。

寂しい。

本当は手術なんかしないでずっと俺の腕の中に居てって言いたい。

でもそれはAに死んでと言っているのと同じ。

Aも覚悟を決めた。

俺も早く覚悟を決めなきゃいけない。

俺には笑顔でAを見送って頑張れAって言う義務がある。

「A、こっちだ。」

病院に着くと海兎兄が待っていた。

『海先生おはよう』

「おはよう。昨日はぐっすり眠れたか？」

『うん！ぐっすり！』

「良かったな。じゃあ最後の検査するから行こうか。」

「海兎兄、検査と手術の間に時間あるよな？」

「あるけど。」

「最……、手術の前にAと話したい。」

「Aがいいならね。」

『僕も話したい』

「じゃあ、検査終わる頃にAの部屋で待ってる。」

Aは大きく笑顔で頷いてくれた。

『行ってくるねハヤテ』

「うん、行ってらっしゃい。」

俺との会話を終えたAは小走りで少し先に行っていた海兎兄の横に行った。