story29 ページ30
最初は触れるだけの浅く短めのキス。
そこから段々と深く、長いキスをする。
Aが胸を叩いてくるまでやめなかった。
口を離すと真っ赤な顔で俺を見ていた。
『なにするの』
メモに書いて口元を隠して見せてくる。
「A、知ってた?この観覧車のジンクス。頂上でキスしたら永遠の愛が誓えるんだって。」
『うそだよ、そんなの。ぼくたちは、はなればなれになっちゃうのに。むりにきまってる。』
また口元をメモで隠したので手でメモを退けてまたキスをした。
今度は最初から深い方。
「そんなの気にしない。Aがまた俺と出会って好きになったらいい。ウザイくらいAを構い倒す。だから、記憶が無くなってもまた俺を好きになって?」
キスに驚いて止まっていた涙がまたボロボロと出てきた。
『もう断れないじゃんか!!』
「手術、受けてくれる?」
『ハヤテのために受ける』
『だから手術のあいだずっとそばにいて。』
「当たり前。」
俺達はまたキスをした。
その日の夜は俺の家に泊まってもらった。
たまたま親が両方とも出張で家を開けていたのでちょうどよかった。
勿論海兎兄には伝えた。
Aが手術を決断したことも含めて色々と。
「A、月綺麗だね。」
『うん、死んでもいいくらい。』
「死んじゃダメだよー」
『わかってる。』
その後は遊び回って疲れたのかAはすぐに寝落ちた。
「しゅ……ぃ。」
寝言でAが好きと言ってくれた気がした。
Aのおでこにキスをして俺も瞼を閉じた。
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作者名:クロスケ | 作成日時:2019年3月25日 1時