【名探偵コナン】悪役系女子の私がトリップした件について

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あれは、私がバイト帰りにコンビニへ寄った日の事だった。その日はこの世界に来て初の残業をして、私はくたくたになりながら近くの公園に寄った。ベンチに腰を降ろし、コンビニで買った珈琲を静かに飲む。すると、こちらに向かって歩いてくる男性が目に入った。


「あのっ……Aたん、ですよね？」

『……？』


ふと顔をあげると、そこにはバイト先のカフェに何時も顔を出している常連さんがいた。彼はどこか興奮しているようで、その目はとろんと微睡んでいる。お酒でも飲んだのだろうか。


『そう……ですけど。何か用があるならまたカフェにいらしてください。今日はもう遅いので……ッ！？』


私が断って帰ろうとすると、男性はがしりと腕を掴んだ。


「ああやっと、これで夢が叶う。さあ、"僕達"と一緒に来て貰いましょうか」


気配を感じて振り向くと、木の影から男がもう二人顔を出した。三人相手じゃ、敵うはずがない。


『は？行くわけ無いでしょ！』


私が掴んでいた手を振り払うと、男性は暗い声でこう言った。


「……あまりAたんを傷つけたくないが、仕方がないか」


そう言って男は懐からスタンガンを取り出した。バチバチと青白い電気が走り、夜の公園を明るく照らす。


『警察、呼びますよ』


私は男性等を睨み付けながら警告した。しかし、その言葉には効果が無かったようで、男はじりじりと近づいて来る。

私は逃げるようにその場から走った。男の「捕まえろ！！」という言葉が空中で響く。

公園の遊具を上手く利用して、なんとか道に出た。そのまま一直線に道路を走る。すると、曲がり角から男の仲間が飛び出して来た。挟み撃ちにされ、無理矢理用意してあった車へ押し込められる。


『ッ！やめて、触らないで！！』




「―――その女性を離してください」


突然、暗闇の中から声が聞こえた。驚いて見てみると、そこには目が特徴的な男性がいた。じっとこちらを見据え、彼等を睨み付けている。


あれは―――沖矢昴？


……ああ、救世主だ。神様さんきゅ。

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