【文スト】一般人の中原です その二

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(あれ？ やだ何コレ？ A君なんか良い匂いっ！？)




「……」









ちゃっかり腕を組まれた所為で、笹田さんの心の声がだだ漏れだった。





彼女、笹田さんは、俺の最近の悩みの種である。





俺は彼女のタイプにドストライクらしい。





俺は彼女に好意を寄せられている――――それも過激に。





俺のシフトを調べて、バイトの日は必ず来店するし、

この前は、建物の陰から盗撮された。





既に俺のアルバム的な何かが作られているらしい。

何か部屋中に俺の写真を飾っているとか……。





世間ではこれを「ストーカー」と云うのだろうが、彼女は周りに悟らせない。





今日も偶然ではない。

今日がバイト休みだって知っていて偶然で逢った様に演出をする。

序に、一緒にお出掛けする流れを作る。









(あぁもうA君、バイト姿も良いけど今日の私服も良いっ！)





「A君は、お休みの日は普段何をするの？」





『……えっと、買い物とか、掃除とか、ですかねぇ』





(やだ、意外と家庭的っ！)





「そうなのね。A君とても器用そうだし、料理とか得意そう」





『はぁ、まぁ料理もそれなりに出来ます』





「凄いわねぇっ！」





(優良物件っ！ あぁもうA君、好きっ！)









――俺は一体、何人と会話しているんだ？



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