【文スト】一般人の中原です その二

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重力を付加させた一撃は、亡者諸共地面を砕き沈んだ。





余りの衝撃に、Aはその場に倒れ無残に潰された亡者を見る。









「――ったく、お前は……」









潰した亡者に目もくれず、中也は呆れた目をAに向けた。





「俺じゃなかったら死んでるぞ」



『兄さんなら気付いてくれると思って』





差し出された手を掴んで立ち上がる。





潰された亡者は、サラサラと砂の様に体が崩れながらも、Aに手を伸ばす。





《アイ、シ……テェ……》









「――強過ぎる想いは、ヒトを滅ぼす」









そう呟いた斬島は、刀を振り上げる。









「許されざる者には、罰を――――お前は殺し過ぎた」









刃が滑り、亡者の首を刎ねた。









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「お騒がせしました」



『いえ此方こそ、ありがとうございました』









一件落着して、お互いに頭を下げる佐疫とA。









「この件で、閻魔様に恩売った事になんのか？」





「貴方の罪状は軽くなる事は無いだろうけど……地獄に来たら、是非獄卒に。歓迎するよ」





「そりゃあ、嬉しくねぇ話だな」





「Aもやろうなっ！ 獄卒っ！」





「おい此奴は極楽だからそっちに行かねぇよ」





「五月蝿い、ケチビ」





「あぁ？」





『ほらまた喧嘩する』





かくして、地獄の鬼――――獄卒との一夜限りの共闘は、幕を閉じた。



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