・ 救出 ページ43
.
Ｑの救出に向かった太宰と中也は、地下へ続く階段を下りて行く。
ランプに灯りを点ければ、木の根に捕らわれたＱとAの姿を確認した。
「Aっ！」
中也は真っ先にAの所へ駆け寄ると、ゆっくり目を開けた。
光は無く、虚ろな目で中也を見る。
「無事かっ！？ 怪我は無ぇかっ！？」
心配して中也がAに触れる。
『ぐっ……』
瞬間、Aが顔を歪ませて身動ぎをした。
Aに触れている中也の手を、近付いて来た太宰が掴んだ。
「中也、今はA君に触れない方が良い」
「あぁっ！？」
中也は不機嫌に手を払って太宰を睨む。
「Ｑの異能の受信者を多く得る為に、A君の異能が使われたんだ」
呪いが発動した人の数だけ、記憶や感情が流れ込んだのだ。
無理矢理異能を使った結果、Aの異能は今暴走状態だ。
少しでも触れれば、触れた対象の情報を読み取ってしまう。
これ以上はAの精神が危険だ。
「今の状態の彼に君が触れたら、余計に彼を苦しめる」
「っ……！」
太宰の言葉に、中也はギリッと歯を食いしばって俯いた。
太宰はAに近付き、彼の額に触れた。
「もう休み給え、A君」
――異能力――【人間失格】
太宰が異能を発動させると、Aは目を閉じて眠りについた。
木の根を切りAを地面に下ろす。
「異能は解除した。でもまだ熱が酷いから、暫くは安静にさせないと――」
「Aを、暫く探偵社で預かってくれ」
唐突に発せられた中也の言葉に、太宰は目を丸くする。
「……意外。何が何でも連れて帰るって云うと思ったのに」
「Aの為だ。何かあれば手前んとこの女医に診させろ」
「……分かった」
これ以上何か云うと、只でさえ虫の居所が悪い中也が、更に機嫌を損ねる。
それを察した太宰は、素直に了承した。
太宰と中也は、AとＱを抱え外へと向かった。
その後、ラヴクラフトとの戦闘が始まった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 554人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
由良の門を - 乱歩さんが可愛い (2023年4月9日 12時) (
レス) @page36 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - ロバート先輩wwwここめっちゃ笑えました！中也くんと同じこと思いましたwめちゃくちゃ面白いです！ (2023年2月11日 0時) (レス) @page13 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - お忙しい中、リクエストに応えていただきありがとうございました！探偵社を交えてのワイワイした様子とか見てて楽しかったです！ (2019年3月24日 23時) (レス) id: 3faee80352 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - リクエストお願いします。弟君が自分に好意を寄せる厄介な女性への対処に困ったところが見たいです！ (2019年3月21日 23時) (レス) id: 18f48afc5e (このIDを非表示/違反報告)
ロト - リクエスト失礼します。中也と弟君とでショッピングしたりするほのぼのが見てみたいです。お願いします！ (2019年3月19日 17時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ネコぱふぇ
| 作成日時：2019年2月2日 21時
