【文スト】一般人の中原です

兄の卵焼き ページ5

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中也Side



今日はAよりも早く起きて、俺が朝食の用意をしていた。





すると、目を擦りながらAが起きて来た。





『兄さん、おはよ』



「おう、起き……お前すげぇ寝癖だな」





寝起きの弟の姿は、正直笑える。

髪は嵐に見舞われた様になっていた。





『毎朝こうだよ。今日はバイト午後からだから』





そう云って、寝癖を直す事無く俺の隣に来た。





『兄さん、昨日も遅かったでしょ？ 朝食任せてごめんね』



「気にすんな。ほら、お前の分」





そう云ってAの分の皿を差し出す。





『……すげ、卵焼きの形になってる』



「おい、失礼だろ」



『だって前回まで目玉かスクランブルしか出来なかったじゃん』





確かにそうだが……そんなに驚く事か？

Aはまじまじと俺が作った卵焼きを見回していた。





「まぁ、お前が作るのには劣るがな」



『それでも上達したよ。とりあえず写真残して今日は記念日に――』



「頼むからそれは止めろ！ 良いからさっさと食え！」



『はいはい。ありがとうね、兄さん』



「……おう」





改めて云われると……何だか歯痒いな。



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