【文スト】続 使えない駄犬は嫌いだよ

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太宰Side





ポートマフィアとの密会。

話が終わり両者とも引き上げようとした時。





「太宰君。津島君は元気かい？」





帰ろうとした森さんが振り返って尋ねて来た。





「えぇ。呪いも綺麗さっぱり取り除きました」



「そうかい。それは何より」





ニッコリと微笑む森さんに、私もニッコリ笑みを作った。





「森さんは２年前、既に気付いていたのでしょう？ Aの呪いを解く方法」





知っていた筈だ。

探偵社に与謝野さんが居る事を。

どのようにすれば呪いを解くことが出来るかを。





「あぁ気付いていたよ。でもあの時、君の行方が分からなかったからね」





嫌味に聞こえる言葉に、内心殺意が湧く。





「まぁでも、君が責任を感じる事は無いよ。当時の彼に何を云っても仕方なかったからね」



「どういうことです？」



「津島君は、生きようとしていなかった。君には何も語らず墓場まで持っていくつもりだったようだよ」





それは呪いを受けた４年前からだったらしい。

何処か上の空だった。

面を付けて、周りに表情を見せない様にしていた。





「でも……治って良かったよ」





森さんはそう呟いて、背を向け歩き出した。

私はその後ろ姿が見えなくなるまで見続けた。





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