・ ページ3
.
見送っていると、一人の警官が駆け寄って来た。
「周辺の防犯カメラの映像を調べた結果、このようものが……」
警官は数枚の写真を差し出して来た。
そこには、遺体の男が死亡する数分前の姿が写されていた。
男の表情は虚ろで、その顔には痣の様な物が浮かんでいた。
「この痣……Aちゃんの異能の……っ!」
その時、二人は同時に気付き、表情を変えた。
「おい太宰、真逆……」
「彼は自身の異能でAちゃんの記憶と異能力を奪った。そして、奪った異能力を使用したんだ」
しかし、異能力が上手く扱えず、更に暴走状態を引き起こした。
痣と共に巨大な獣も出現したのだろう。
この倉庫の有様の説明がつく。
そして、痣は自身の体を蝕んでいく。
持ち主であるAでさえ、長時間の使用は危険だする。
――彼は、異能力に殺された。
「……待て。異能力者が居ない今、Aの記憶と異能力はどうなる?」
「異能力の効果が消えるだろうから、今後操作される事はないよ。でも、Aちゃんに記憶と異能力が戻ったかどうかは……」
「本人に確認する他ないか」
.
「――サヤ……サヤッ!」
『……ん?』
「もう、何度も呼んでるんだから返事くらいしなよ」
『ごめん、ぼーっとしてた』
「今日は朝からずっとだよ?」
「はっ! もしかしてサヤにも春がっ!」
「恋煩いかっ! サヤの癖にっ!」
『何でそうなるの』
昼休み、学校で友達と他愛もない話をしている中、サヤは一人上の空だった。
明け方見せた母親の顔を見て、云い表し様のない気持ちのまま、気付けば半日が過ぎていた。
.
787人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ネコぱふぇ(プロフ) - まゆさん» ありがとうございました。新作の方も頑張ります。 (2019年2月3日 1時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 完結おめでとうございます^_^すごく、面白かったです^_^動物が出てくる場面、すごく癒されました^_^良い作品ですね!これからも、頑張って下さい^_^応援してます^_^ (2019年2月3日 0時) (レス) id: 833a45e133 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 山吹晋助さん» 喜んで頂けて良かったです。 (2019年1月27日 23時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
山吹晋助(プロフ) - ずっと読んでいて楽しい作品でした!次回の作品も頑張って下さい! (2019年1月27日 23時) (レス) id: 9dd3548da5 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - あーやんの向日葵畑さん» 応援して下さり、ありがとうございました。 (2019年1月27日 12時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2019年1月17日 23時