【相違】異能の持ち主 ページ46
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すっかり夜も更け、人の行き来も疎らになった頃。
再び例の獣が暴れているとの報告を受けた。
中也はすぐに現場へ向かうと、既に戦闘が始まっていた。
そして丁度、芥川龍之介の羅生門が、獣の首を斬り落とした瞬間だった。
ぼとりと頭部が転がる生々しい音が耳に入った。
「終わったか？」
「否、奴は首を落とした程度では死にません」
じっと獣を見付ける芥川。
中也は「そうか」と納得してから「ん？」と疑問が浮かぶ。
「……何でそんな事知ってんだ？」
「……以前、奴と対峙した覚えがある故」
「手前もか」
すると、芥川の云った通り、獣の首が胴体に結合した。
二人に向かって唸り威嚇をしていた。
「奴を止めるにはどうすれば良い」
「異能者本人を仕留めれば…………っ！？」
その時、獣が突然苦しみ出した。
獣の体が所々崩れ、姿が大きく歪みそのまま体が霧散した。
すると、獣が居た所に誰かが倒れていた。
中也と芥川が近付き、倒れる男を見下ろした。
体中血だらけで呼吸が浅く、虫の息状態。
そして、体に広がる赤黒い痣が生き物の様に蠢いていた。
その男を見て、二人は同時に口を開いた。
「「違う」」
言葉が揃った事に、二人は顔を見合わせた。
あの獣も体に浮かぶ痣も、見覚えがあるのは確かだが、それを使う異能力者はこの男ではない。
それは分かるが、本当の持ち主が分からない。
顔も名前も思い出せない。
「何なんだ、先刻から……頭の端で引っ掛かってしょうがねぇ」
中也が舌打ちをして苛立っていると、倒れる男が咳き込み、呼吸が止まった。
体に浮かんでいた痣も少しずつ薄れて消えた。
力が抜けてずり落ちた手から何かが転げ落ちた。
それは血に汚れた水晶玉だった。
淡く光を放っていたが、次の瞬間ふっと消えた。
ピシリッとひびが入り、真っ二つに割れた。
その瞬間、光が放たれ、その一部が中也と芥川の頭を摺り抜けた。
――帽子さんが所属してる組織って何だっけ？ こう云う時って何時もポンコツなのっ！？
――げっ！ 何でやつがれさんがこんな所に……暇なの？
瞬間、赤毛で生意気な事を云う少女の記憶が蘇った。
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白織 - あけましておめでとうございます！今年も1日から楽しく読ませてもらいました。本年も無理なく楽しくお話を書いてください！ (2019年1月1日 21時) (
レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
凍り姫 - ネコぱふぇさん» とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年12月23日 16時) (レス) id: 7ecdf95431 (このIDを非表示/違反報告)
山吹晋助(プロフ) - リクエスト消化ありがとうございます！最初からドキドキしながら読んでいって太宰さんや織田作との絡みがあってとても楽しく読んでましたw更新頑張ってください！ (2018年11月26日 2時) (レス) id: 9dd3548da5 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - ネコぱふぇさん» 成る程判りました！更新頑張って下さい!! (2018年11月20日 22時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - ミカさん» コメントありがとうございます。申し訳ないのですが、終わりのセラフはアニメ知識しかなく、私が小説を書く程詳しくありません。なので、出来ません。 (2018年11月20日 22時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネコぱふぇ
| 作成日時：2018年11月11日 22時
