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男は、この異能は外れか、などとぼやきながらその場から歩き出す。
その時。
《見ろよ、あの男》
こそりと小さな声が聞こえた。
男は振り返るが誰もない。
辺りを見渡すが、人影すら見当たらない。
ふと、上を見上げると数匹の蝙蝠が止まっていた。
《あれは駄目だな》
《あぁ、可哀そうに》
蝙蝠の言葉が分かる。
確かに自分の耳に入って来る。
「動物の言葉が分かる異能力」――男は頭の中でそう推測した。
すると、近くで物音がして視線を向けると、野良猫が段ボール箱から躍り出た。
この猫も言葉が分かるのか。
男は興味本位で猫を見た。
すると、目が合った。
「っ!?」
突然の頭痛、そして見覚えのない光景が頭に入り込んだ。
立ち眩み壁に手を着いて息を整える。
今のは一体何なんだ。
《アンタは器じゃないよ》
男はバッと顔を上げると、猫がじっと此方を見ていた。
今の言葉はこの猫からだった。
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白織 - あけましておめでとうございます!今年も1日から楽しく読ませてもらいました。本年も無理なく楽しくお話を書いてください! (2019年1月1日 21時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
凍り姫 - ネコぱふぇさん» とっても面白いです!更新頑張ってください! (2018年12月23日 16時) (レス) id: 7ecdf95431 (このIDを非表示/違反報告)
山吹晋助(プロフ) - リクエスト消化ありがとうございます!最初からドキドキしながら読んでいって太宰さんや織田作との絡みがあってとても楽しく読んでましたw更新頑張ってください! (2018年11月26日 2時) (レス) id: 9dd3548da5 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - ネコぱふぇさん» 成る程判りました!更新頑張って下さい!! (2018年11月20日 22時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - ミカさん» コメントありがとうございます。申し訳ないのですが、終わりのセラフはアニメ知識しかなく、私が小説を書く程詳しくありません。なので、出来ません。 (2018年11月20日 22時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年11月11日 22時