【文スト】噂の野良猫娘 ７

【失敗】手懐け ページ41

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相手の記憶を奪い、操作をする異能力――これが男の異能力だ。





先日、とある少女から記憶を奪って操作した。

その際、その少女が異能力者である事が判明。

だから「最初から異能力は持っていない」と記憶を操作した。

それにより、異能力者から異能力を奪う事が出来るのだ。

そして、奪った異能力は自分に取り込み、使用する事が出来る。





何と素晴らしい異能力だろうか。

男はほくそ笑みながら手に持った水晶玉を見つめた。





少女から奪った異能力は、今は赤黒い霧の様な形をして、水晶玉の中を渦巻いていた。

まるで生きている様だ。





さて、一体どんな異能力だろうか。





男が水晶玉に手を翳すと、光を放った。

中を渦巻いていた異能力がスッと外に出て、男の体に取り込まれていった。





ドクンッと体に馴染む感覚がした後、自分の体を確認する。









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……特に変化は見られない。





男の異能力の厄介な所は、記憶は奪えるが、記憶を読む事が出来ない事だ。

少女の生い立ちは疎か、異能力の効果すら知る事が出来ない。









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だからこの男は知らない。





少女が一体何者なのか、誰を敵に回したのか。





真逆、記憶操作されなかった人物が居て、





記憶が戻った社員達が、血眼になって自分を捜していることなど。





知る由もない。



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