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「――っ! おーい君っ! 起きなさいっ!」



『……ふがっ!』





気付いたら畳の部屋で寝ていた。

起き上がって周りを見ると、駄菓子屋の居間だった。

エプロンを付けたお姉さんが呆れた様にウチを見下ろしていた。





「こんな所に寝られたら困るよ」



『……お婆ちゃんは?』





「あ、もしかしてウチの常連さん? ごめんね、ウチの婆ちゃん亡くなったのよ。一週間前に」





『……え』



「それで、今代わりに私が店やってんのよ。はい、これお釣り」





お姉さんはウチの手に十円玉を置いた。









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外に出て店を振り返る。

錆びた看板はやっぱり「たそがれ堂」とは読めなかった。



店の裏を覗いてみると、あの時見た祠は無く、崩れた鳥居しか無かった。





『……狐につままれたって、こういう事?』





「――何してるんだい?」





『ぎゃっ!』





後ろから声を掛けられ飛び跳ねる。

振り返ると、ウチの反応を見て笑っている太宰さんが居た。



今度はちゃんと砂色の外套を着ていた。





「乱歩さんのお遣いかい? 此処にも来るのだねぇ」



『何時もの店が定休日だったから……たそがれ堂には初めて来たけど』



「おや? 良く店の名前が読めたねぇ」



『……と、通りすがりの猫に聞いた』



「ふーん、そうなの」





適当に云い訳をして目を逸らす。





すると突然、太宰さんがウチの頭をわさわさと撫でて来た。





『な、何っ!?』





驚いてその手を払うと、太宰さんはウチを見て、何か考えている。





「……気の所為、かな?」



『何が?』





ぽつりと呟いた太宰さんに、ウチは首を傾げた。





「何でもないよ。さっ! 早く帰らないと乱歩さんが待っているよ」





そう云って外套を翻して太宰さんが歩いて行く。

ウチもその後を追い駆けながら、探偵社に向かった。





――――――――――――――――――――――――――――――

山吹晋助さん からのリクエスト
「夢主ちゃんが黒の時代に行って戻って来る話」



長々とすいません。

異能力関係なしに不思議体験をした夢主ちゃんでした。



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白織 - あけましておめでとうございます!今年も1日から楽しく読ませてもらいました。本年も無理なく楽しくお話を書いてください! (2019年1月1日 21時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
凍り姫 - ネコぱふぇさん» とっても面白いです!更新頑張ってください! (2018年12月23日 16時) (レス) id: 7ecdf95431 (このIDを非表示/違反報告)
山吹晋助(プロフ) - リクエスト消化ありがとうございます!最初からドキドキしながら読んでいって太宰さんや織田作との絡みがあってとても楽しく読んでましたw更新頑張ってください! (2018年11月26日 2時) (レス) id: 9dd3548da5 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - ネコぱふぇさん» 成る程判りました!更新頑張って下さい!! (2018年11月20日 22時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - ミカさん» コメントありがとうございます。申し訳ないのですが、終わりのセラフはアニメ知識しかなく、私が小説を書く程詳しくありません。なので、出来ません。 (2018年11月20日 22時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年11月11日 22時

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