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――土曜日。



「まさか、Aさんと同じパーティーだったなんて」



調査対象の議員が出席するパーティーと云うのは、偶然にもAが出席する受賞式だった。

先日、担当者の亀山に話したら、壱原綴先生の友人として招待されることになり、難なく潜入出来た。



――ちなみに、Aには内緒である。



正装した乱歩、太宰、敦はホテルの廊下を歩いていた。

「壱原綴先生 控え室」と書かれた部屋の前まで来て、軽くノックをする。

しかし、中から返事が聞こえて来ない。



「居ないんでしょうか?」

「会場の方に居るのかもしれないねぇ」



会場に行ってみよう、と歩き出した時、廊下の曲がり角から人が出て来た。

危うくぶつかりそうになって、敦は一歩下がる。



「わっ! す、すみませんっ!」



慌てて謝罪しながら前を見ると、スラリとした女性だった。



ワインレッドのドレスに、高い位置で結い上げた長い赤髪。

向こうも人が居て驚いたのか、綺麗なエメラルドグリーンの瞳で此方を見ていた。



そんな女性を見て、敦は思わず目を奪われていると、太宰がスッと前に出た。





「美しい。綺麗な赤毛に揃いのドレス。そして、宝石の様に綺麗な瞳――どうか私と心中して下さいませんか?」





流れる様に女性の手を取って心中のお誘いをする太宰。

何時もの事ながら、それを見て敦は呆れた目を送る。





すると、手を握られた女性がガタガタと震え始めた。









『だ、だだだ太宰君、何故此処にっ!?』



「おや? 何処かでお逢いしましたか?」





慌てる女性を見て太宰が首を傾げた。





その後ろから乱歩の溜息が聞こえた。









「太宰。それAだよ」



「……え」

「えぇっ!?」





女性の正体に気付いていなかった二人が驚いて声を上げる。



目の前の女性――Aは慌てて三人から距離をとって、両腕を顔の前に出した。





『ひゃぁぁぁっ! み、見ないで下さいっ恥ずかしくて死んじゃうぅぅぅっ!』



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(プロフ) - 36ページ 2ヶ所ほど 』が 》になっていたところあります。 (2021年5月20日 19時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
雪代 - めちゃめちゃ好きです…!!もうなんか乱歩さんが主人公ちゃんが可愛くて可愛くて…!!応援しております!m(_ _)m (2018年9月30日 22時) (レス) id: bf2f1ee446 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 乱歩さん……私を殺さないでください…。大好きです (2018年9月17日 21時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
にゃー - 乱歩さん可愛!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2018年8月29日 15時) (レス) id: c7e146b978 (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃたこ - 面白すぎて敬語が抜けそうです←関係ない。更新頑張って下さいっ! (2018年8月17日 9時) (レス) id: 3f5d227eff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年7月29日 22時

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