犬屋敷殺人事件 ページ45
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「さぁっ! 行こうかAッ!」
『え、何処に?』
唐突に乱歩さんに云われた。
「刑事さんから捜査の依頼があって、それにAも行くんだよ! 云ってなかった?」
『今聞いた』
「じゃあ今云った」
ふんっと乱歩さんが胸を張る。
それを見て、ウチは国木田さんに振り返った。
「云いたい事は何となく分かるが、何も云うな」
『云わせてよ。勝手過ぎない? この人』
と云うか、事件の捜査に同行するのがウチで良いのか?
ウチに何が出来る訳でないないのだけど。
「あ、別に何も期待してないから」
ウチの考えを読んでか、乱歩さんが不意にそう云った。
ウチは黙って国木田さんに振り返った。
「……何も云うな」
『云わせて、酷くない? この人』
「さぁ! 15分後に出発だから準備して!」
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準備が整って社を出れば、パトカーが停車していた。
『これで行くの?』
「こっちの方が楽だからね」
世界広しと云えど、パトカーをタクシー代わりに出来るのはこの人位だろうな。
「それに電車で行くにも君乗り方分からないだろ?」
『乱歩さんは?』
「僕も知らない」
『えぇ……』
そんなやり取りしながらパトカーに乗り込むと、助手席に箕浦刑事が座って居た。
「来たか……今日の連れは嬢ちゃんか」
「今から行く現場にはAが適任と思って」
隣で乱歩さんがそう云って、早速お菓子を取り出して封を切る。
「何? Aも食べたいならこっちあげる」
そう云ってチョコバーを一本貰った。
完全に遠足のバスの中みたいな雰囲気。
チョコバーを頬張りながら乱歩さんに尋ねる。
『ねぇ乱歩さん、ウチが適任ってどう云う事? ウチ今回の捜査の内容聞いてないんだけど』
「ん〜まぁとりあえず、僕からの忠告は――」
ビシッとチョコバーを突き付けられた。
「現場に着いたら犬に気を付けて」
『犬?』
「そう。犬が居ても目を合わせない様にね」
それだけ云うと、乱歩さんは再びお菓子を食べ始めた。
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はるか(プロフ) - すみません、リクエストお願いします。何でもいいのでネコ科の動物に乗って夢主が、爆走するのを書いてもらえればうれしいです。よろしくお願いします。 (2018年6月20日 0時) (レス) id: 2bc02ca7fa (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - すみません、少し思いついたのでリクエストさせていただきます!夢主ちゃんと鏡花ちゃんが兎達とふれあってるほのぼのしたお話を書いていただきたいです!よければよろしくお願いします! (2018年6月17日 7時) (レス) id: 8afcf3da14 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - RANAさん» 創作出来ました。リクありがとうございます! (2018年6月17日 0時) (レス) id: 1f1c692189 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 最新話みました!!めちゃめちゃ面白くて大好きです!!ありがとうございます!これからも頑張ってください! (2018年6月16日 23時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
愛子(プロフ) - 蛞蝓さんで吹き出しました(笑)面白いです。更新頑張って下さい!応援してます。 (2018年5月23日 10時) (レス) id: 1d139961bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年4月22日 23時