【文スト】紙使い少女は、光へと向かう【黒の時代】 (ページ31)

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爆弾投下ページ31

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「子供を助ける為に、目の前で身を投げ出すAを見た時、久々に肝が冷えた」

『……私も、あの時は無我夢中でしたよ。絶対助けたいって思って……もうあの時と同じ思いはしたくなかった』

「……だとしても、君自身が居なくなっては駄目だよ」

太宰さんの額が離れる、真っ直ぐ此方を見つめる。

――嗚呼、何て淋しそうな顔なんだ。

「私より先に死んでは駄目だよ」

太宰さんは、何を思ってそう云うのだろう。

何を思い出しているのだろう。

『……死にませんよ』

太宰さんの手に、そっと手を添えた。

『漸く人助けが出来る所に来たんですから、今死ぬ訳にはいきません』

私が云って微笑むと、太宰さんは「期待しているよ」と頬から手を放した。

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「それはそうと、みっちゃんに云わないといけない事があるのだよ」

気持ちを切り替えて、太宰さんが人差し指を立てて云った。

『？何ですか？』

私は首を傾げながら太宰さんを見上げた。

「今回の一件で、みっちゃんはバイトから正式な探偵社になったから」

『…………へっ？』

太宰さんは、突然爆弾を落とす人だ。

今私は、人生で一番の阿呆面をしているだろう。

「みっちゃん面白い顔してるよ？」

『え、待って下さい。そんな、話……聞いてません』

「うん、今云ったからね」

『い、何時そんな話に！？』

「事件が解決して、社長に報告した時だったかな」

それ、私が気を失って眠っている時じゃないですか。

まさか知らない間に、正社員として認められていたなんて。

「あ、今まで住んで居た所は引き払って、今度からそれぞれ社員寮で暮らすから」

『何から何まで私が眠っている間に終わっているなんて、何だか複雑な気分です』

「何？じゃあ社員寮一部屋で二人で暮らす？」

『いえ、個別でお願いします』

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