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No Side
太宰達が屋上駐車場に出た時、丁度子供が突き飛ばされた後だった。
その子供を追ってA自身も目の前から消えた。
「Aっ!!」
「止せ、太宰っ!!」
名を叫んで身を投じようとする太宰を、国木田が後ろから羽交い絞めをして止める。
「止めないでくれ国木田君っ!」
「お前まで落ちる気か莫迦者っ!」
その時、下の階の窓硝子が弾け飛んだ。
見ると大量の紙が滝の様に流れていた。
紙の塊はそのままA達の下へ回り込み、二人を包み込む様に受け止めた。
「まさか、これもAの異能か……」
感心する様に国木田が呟く隣で、へたっと座り込む太宰。
俯いて顔に手を当てて、力無く笑った。
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ASide
『はぁ……はぁ……』
目を開ければ空が見えた。
ヒラヒラと沢山の紙が舞い落ちる中、私は紙の山の上に倒れていた。
腕の中で気を失っている子供から吐息が聞こえる。
呼吸で上下する体。
肌で感じる温もり。
『――生きてるっ』
上体を起こして、子供を再度抱き締める。
今度こそ、守る事が出来たよ。
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セキセイインコ(プロフ) - この異能力めっちゃ強い (2020年12月24日 9時) (レス) id: 9e59c5682d (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 藍色眼鏡さん» ありがとうございます。喜んで頂き嬉しいです! (2018年4月30日 16時) (レス) id: 1f1c692189 (このIDを非表示/違反報告)
藍色眼鏡(プロフ) - 完結おめでとうございます。凄く良いお話でした(泣) (2018年4月30日 14時) (レス) id: 07c13963ee (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - しろねこさん» ありがとうございます。番外編もぼちぼち頑張ります (2018年4月30日 13時) (レス) id: 1f1c692189 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - eyeさん» ありがとうございます! (2018年4月30日 13時) (レス) id: 1f1c692189 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年2月12日 23時