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救援求む ページ10

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『わぁ……大量だなぁ……』

《全員、オイラの家族だぞ!》

「へぇ……すっげ」



わらわらと現れた鼠の大群は、ウチの周りに集まり、鼻を擦り付けて来る。



鼠達は早速、ウチの手首を縛る結束バンドを齧り始めた。



「わっ! わわぁぁぁっ! わわわわっ!」

『……お姉さん、落ち着こうよ』



鼠達が現れてからお姉さんの様子が変だ。

壁際に下がって体を頑張って丸めている。



『そんなに壁に下がったら、手首のバンド齧れないよ?』

「否、でもぉ〜……」



お姉さんから情けない声が出た。

鼠達もお姉さんに驚いて近寄れていない。



《あの姉ちゃん、ビビりだな》

『それ云わないの。手は後で、先に足の方齧ってあげて』



そう云うと、鼠達がお姉さんの足に集まり、ガシガシと齧り始めた。



「か、噛んだりしませんよねぇ……?」

『大丈夫だよ……多分』

「今多分って云いましたっ!?」

『あ、ほら、動いたら間違って齧られるよ?』



そんな脅し文句を云ったら、お姉さんはピリシと固まってしまった。



……何か、ごめん。



そうこうしている内に、ウチの手首の結束バンドが切れた。

自由になった手首を摩りながら、鼠達にお礼を云う。



お姉さんの足のバンドも切り終えた様だ。



『後はお姉さんの手首の――』



そんな時、携帯の着信音が鳴った。

ウチは持っていないから恐らくお姉さんの物だろう。



と云うか、お姉さん携帯持ってんの?

捕まった時に没収されなかったんだ。



『携帯あるなら助けが呼べるじゃん』

「す、すみません……あの、携帯取って貰って良いですか?」

『分かった』



ウチはお姉さんに近付いて、ポケットから携帯を取り出した。



画面に名前が書かれていたけど、難しい漢字で読めないや。



ピッと釦を押してお姉さんの耳に当てた。





「あっ先輩っ!」





お姉さんの先輩からの電話らしい。



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夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時

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