【文スト】噂の野良猫娘２ (ページ4)

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「この人が売人ですか？」

包帯さんの隣から写真を覗く敦が呟いた。

「あぁ。街の監視映像に映っていた物だ。そいつの居場所を特定したい」

「彼が映っていた映像はこの部分だけ。進行方向から場所を特定するのは難しい」

「周辺の人に聞き込みは……」

「そんな事をしていたら売人が雲隠れする」

……何か厄介な話をしているなぁ。

包帯さん、眼鏡さん、敦がうーんと考え込んでいる。

因みに名探偵は出掛けていて不在だそうだ。

名探偵に見せればすぐに居場所が特定出来るのにね。

さて、仕事の邪魔にならない様に、ウチは外にでも出掛けますか。

そう思ってそっと席を立ってドアへ向かう。

『君等も来るでしょ？ ……って、あれ？何処行っ……げっ！』

遊びに来ていた猫二匹が傍に居ない。

キョロキョロと周りを見たら、丁度二匹が眼鏡さん達のデスクに飛び乗る所だった。

何やってんの。

マジで止めてお前等。

「わわわっ！上に乗っちゃ駄目だよ！」

「小娘ぇぇっ！」

ほらね、ウチが怒られるんだから。

駆け寄って二匹の首根っこを掴み上げる。

『お前等～……ルール其の一は如何した。出禁にするよ？』

《だって気になったんだよ！探偵の仕事！》

『だからって邪魔したら駄目でしょうが！』

《だってさぁ～》

《なぁなぁA～》

片方の猫から間延びした声が聞こえた。

《オレ、この人知ってるよ～？日向ぼっこする所で良く見掛ける～》

『……え？』

猫は写真を見ながらそんな事を云った。

二匹をデスクに下ろし、ウチは置かれた写真を手に取って見つめる。

一匹がウチの肩の上に乗って同じく写真を見る。

「如何かしたのかい？」

『この写真の人、この子が知ってるって』

「何だとっ！？」

三人に写真を見せながら云えば声を上げて驚いていた。

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