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存在しない孤児院 ページ30

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Aが敦と一緒に買い物に出掛け、事務所には太宰、国木田が席に座り、乱歩は駄菓子を頬張っていた。





「さて、Aちゃんの入社試験、如何しましょうかねぇ?」



正式な探偵社員になる為に、必ず行う入社試験だ。



「何か手近な依頼無いの?」

「今来ているのは……市警からの調査の依頼と、密輸品の入手ルートの調査……後は乱歩さんが解決した事件の資料を市警に届けると云うのがあります」



この中から選ぶか、さて如何するか。

思案していると事務所の扉が開いて、谷崎が入って来た。





「あれ? Aちゃん居ませんか?」

「今、敦君と買い出しに行っているよ」

「あーそうなんですか……どうしよう」



Aが居ないと聞くと、少し困った様に頭を搔く谷崎。



「小娘がどうかしたか?」

「あ、いえ……国木田さんに頼まれていたAちゃんの調査なんですが……」



谷崎は資料を国木田に渡して話し始めた。





「ヨコハマにある孤児院から児童の捜索願いが出ていないかを調べたんですが、何処からも届けは出ていないそうです。念の為、Aちゃんの写真を見せて孤児院に聞き回ったんですが……どの孤児院も見た事がないと」

「孤児院の数はそう無い筈だが……妙だな」

「それでAちゃんが居た孤児院について本人に聞こうと思ったんですが、居ないなら後で聞いてみます」



そう云って谷崎は席に戻った。



「先程の話、どう思いますか?」



国木田が乱歩に振り返り問い掛けると、「今は何とも云えない」と答え、乱歩は椅子に座ってくるくる回っている。



「まぁ、とりあえず、Aちゃんが帰って来たら聞いてみよう。その方が確実だ」

「そうだな」



太宰の言葉に賛同し、国木田は自分の仕事を再開した。



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夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時

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