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軍警への報告が終わった国木田が事務所に戻って来た。
「売人組織の身柄は全員確保した。その全員が病院送りに成ったのだが、命に別状はないそうだ」
「何はともあれ、万事解決と云う訳だねぇ。めでたし、めでたし〜」
椅子に座って背伸びをしている太宰。
「……それより小娘の様子は如何だ?」
「与謝野先生の治療を受けて、今は医務室で眠っているよ」
「そうか……」
国木田は眼鏡をくいっと正し太宰を見た。
「……お前は、小娘を社員にする事を本気で考えているのか?」
国木田の言葉に敦が反応し太宰を見る。
「勿論。乱歩さんも最初からそのつもりで此処に置いてあげているんだ。
何より、これからのAちゃんの為でもある」
「……異能力の制御」
「ご名答」
敦が呟いた言葉に、太宰が肯定した。
「正式な探偵社員に成れば、社長の異能力で制御と調整が出来る。
少なくとも異能力が暴走する事は無くなる」
姿勢を正した太宰が真剣な表情で続けた。
「……それに、Aちゃんの異能力をマフィア側にも知られてしまったしね。
今頃、彼方側の首領に報告が入っているんじゃないかな」
「だからあの時社員だと云ったのか。しかし、用心とは云っても目を付けられる程なのか?」
「考えてもみ給え。このヨコハマの街に、一体どれだけの生き物が生息して居ると思う?」
人に飼われているペット。
街を歩き回る野良猫。
電線に止まっている鳥。
あちこちを徘徊する鼠。
下手をすれば人間より多いかもしれない。
「それら全てと意思疎通が可能となれば、街に設置している監視映像よりも、様々な情報を得る事が出来る」
今回の依頼も、一匹の猫がもたらした情報で潜伏場所の周辺まで辿り着けたのだ。
前回の偽飼い主を見破ったのも、飼い猫自身が飼い主ではないと云ったからだ。
人間が知り得ない情報を、様々な動物から得る事が出来る。
「必ずそれを利用する者が出て来る」
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夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時