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「これはまた、随分と派手にやらかしたねぇ」
芥川は無言で敦の背中を目で追った後、太宰達に視線を戻した。
「笑止。そこに転がる者達は異形の獣の所業だ」
「成程……だからか」
そう呟いて、倒れる男達を見る。
酷く切り裂かれ血が出てはいるが、皆死んではいない。
動けずに地面に転がり呻いている。
芥川の仕業なら、生きている者は居ないからだ。
「あの小娘、一体何者だ……」
不可解なのか、芥川の口から言葉が漏れた。
それに対し、太宰がさらりと答える。
「うちの新しい社員さ」
隣の国木田は一瞬驚き、太宰を見た。
芥川も顔を顰めて太宰を見た。
「探偵社員だと? それにしては異能力を制御し切れていない様だ」
「まだ研修中だからねぇ。それに……アレは私も初めて見た」
太宰が真剣な視線を向けた先は、先程まで異形の獣が倒れていた所。
今はもう残骸は綺麗に無くなっていた。
「まぁどの道、あの子は此方側だ。手出しするのは協定違反になるから止してくれたまえ。
それに警察を呼んである。早いとこ引き上げた方が良いのではないかい?」
じっと芥川が太宰を見ていたが、さっと踵を返して歩き出した。
樋口は、後に続こうか如何するか、悩む様に俯いていた。
「――行くぞ、樋口」
「っ! は、はいっ!」
名前を呼ばれ、バッ顔を上げた樋口は、心なしか嬉しそうに後をついて行った。
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夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時