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樋口Side





――このままでは少女が死ぬ。





しかし、銃を構えた男達が私達の周りに集まって来た。





周りは敵だらけ。



逃げ道を塞がれた。









その時、私達の周りに光の渦が現れた。





それは、異能力が発動する時に見られる現象だ。





そしてそれは、私が抱える少女から放たれていた。

光の渦は激しくうねり、地面に傷を作っていく。





まるで、私達に近付く全てを拒絶する様に。





「な、何だあれはっ!?」





敵の一人が声を上げた。



視線は私達の頭上。



私も上を見上げようとした時、すぐ真横にドスンと何かが落ちた。





鋭い爪を持った巨大な獣の足だった。

それを見て驚いていると、何かが頭上に現れ影を差した。





《グルルルルルッ……》





赤黒い異形の獣が唸り声を上げていた。



頭部が三つ。



牙が覗く口からは血の様な赤黒い液体が涎の様に流れている。



突如現れた化け物に、誰一人反応出来ず佇むだけだった。





《ガァァァァァァッ!》





獣は涎を周囲に撒き散らせながら咆哮し、地面を蹴った。



瞬間、周りの敵が吹き飛び地面に転がった。



「ひぃっ!!」

「何やってるっ! 撃ち殺せっ!」



周りの男達は怯えながらも銃を構えて獣に発砲した。

しかし、銃弾を浴びても獣は倒れる事無く、銃を構える者を端から襲って行く。

ズタズタになった男達が地面に転がって行った。





あっと言う間に周りの敵が一掃された。





赤黒い獣は、次に私達の方を向いた。

獲物に狙いを定めた様に、一気に此方へと飛び掛かって来た。









.









.









その時、私達の後ろから黒い獣が通り過ぎた。









黒獣は迫り来る獣に喰らい付き、三つの頭部を切り落とした。

バラバラになった体が地面に倒れた。









そして、後ろから聞き慣れた咳が聞こえた。









「――他愛無いな。異形の獣よ」





「あ……芥川先輩っ!」









黒獣を外套に戻しながら、芥川先輩が此方に歩いて来た。





来てくれたのか。



嬉しさに涙が出て来そうだ。



.

 ・ →←激怒した



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夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時

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