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『……出れたっ』



息を切らしながら言葉が漏れた。

周りを見渡すと、何処かの港なのだろう、沢山のコンテナが積まれている。

売人の男達はここを隠れ家にしていた様だ。



兎に角、ここから離れて敦達に連絡を取らないと。



『お姉さん携帯貸して。知り合いに連絡……あ』



そこまで考えて、ふと肝心な事に気が付いた。









ウチ……敦の連絡先、知らない。

もっと云えば、探偵社の連絡先すら知らない。



こんな事なら聞いておけば良かった。





『お姉さん、武装探偵社の連絡先知らない?』

「えっ……し、知っていますが……」



そう云いながらお姉さんは携帯を操作して耳に当てる。



「……貴女、探偵社と知り合いなんですか?」

『まぁうん。最近そこでお世話になってる』

「まさか……貴女も社員ですか?」

『え? いや、違うよ。ウチは――っ!!』



云い掛けて、お姉さんの後ろでキラリと光る物が見えた。



『――お姉さんっ!!』



ウチは咄嗟にお姉さんを押した。









.









樋口Side


武装探偵社に電話を掛けながら、目の前の少女に尋ねる。

如何やらこの子は探偵社と関りを持っている様だ。



《――はい、武装探偵――》

『お姉さんっ!!』



電話が繋がった時、少女がいきなり私を押した。

不意を突かれバランスを崩した私はそのまま後ろに倒れた。





その時、銃声が聞こえた。





「っ!」





地面に座ったまま目の前を見れば、少女の胸が撃たれていた。

見る見るうちに赤黒い染みが広がった。





少女はガクッと膝を着いて、前のめりに倒れた。

慌てて少女の体を支えると、弱々しく息をしている。





私を庇った。

何故、そんな事をっ……。





「しっかりしなさいっ! ねぇっ!」



少女に呼び掛けるも反応が無い。



患部を押さえても、止めどなく血が流れて行く。



少女の息が更に弱くなり、瞼も次第に閉じていった。



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夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時

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