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「……え、えぇっ!? ちょっと何勝手にっ!」
落ち込んでいたお姉さんが慌てて上体を起こす。
『だって酷いじゃん! お姉さんが困ってるのに助けに来てくれないなんて! それに、ウチもここから出られないと困るっ!』
「止めてっ! ちょっと携帯返してっ!」
手首がまだ自由でないお姉さんが立ち上がって此方に向かって来た。
ウチはお姉さんから逃げながら、未だ鳴り続けるコール音にイラついていた。
何で出ない訳?
こんなに鳴らしてるのに。
無視か。
酷いな、先輩さん。
何十コール目の後、ブツッと音が鳴り、電話が繋がった。
『何回も鳴らしてんだから出ろよっ! 馬鹿先輩っ!』
イライラが募り、ウチは開口一番に叫んだ。
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《……誰だ貴様》
暫くすると男の声が聞こえた。
『何で助けてくれないの? 後輩が困ってたら助けるのが先輩でしょ!』
ウチが怒鳴ると、少しの間があった後先輩さんの声が聞こえた。
《……僕が助ける? その様な無意味な事をして何の価値がある》
『……は?』
《そこな小娘が己の失敗で招いた事。愚者を救った所で同じ過ちを繰り返すのが落ちだ。無能な部下は要らぬ》
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『……あーそう』
ウチはそう呟いた後、深く息を吸い込んだ。
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『だったら良いよっ!
後輩に全っっ然優しくない心の狭ぁぁい先輩にはもう頼まないよっ!
あーあこんな人ホント居たんだねぇ!? ビックリだよ!!
こんなんだったら敦達にお願いした方がよっぽどマシだよっ!
じゃあねっ!! バーカバーカ、バァァァァカッ!!』
勢いで怒鳴り散らして通話を切った。
ふぅ〜……スッキリした。
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夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時