お花をどうぞ ページ10
.
それから数分後。
「滅茶苦茶懐かれてんじゃん、漏瑚」
「ふんっ!」
パラソルの下、Aは漏瑚の胡坐の上に座って落ち着いてしまった。
手には花御が出した花で花冠をせっせと作っている。
「良かったねぇ、じぃじ」
「殺すぞ、貴様」
漏瑚は不貞腐れているが、Aを退かそうとはしなかった。
『できた!』
そう言ったAが立ち上がると、漏瑚の方を向いた。
『じぃじ、おはな!』
「儂は要らんぞ」
花冠をあげようとするが、漏瑚がふんっと顔を逸らした。
『うぅ……』
断られてAがしゅんっと落ち込んだ。
「あー漏瑚が妹ちゃんいじめたー」
「何故そうなる」
「“受け取ってあげれば良いでしょうに”」
「プーッ! ププーッ!!」
「……はぁ」
漏瑚が諦めた様に花冠を掴むと、自ら頭に乗せた。
それを見て、落ち込んでいたAの表情が明るくなった。
「ふっ……似、あってるよ、んふふっ、じぃじっ……」
「笑いながら言うな!」
それからAは花御、陀艮、真人へ一人ずつ花冠を渡した。
最後に夏油の元へと行く。
「私にもくれるのかい?」
『うん!』
夏油はAを抱き抱えると、Aは夏油の頭に花冠を乗せた。
Aは満足そうに笑い、ふと夏油を見た。
額の縫い目をじっと見たと思ったら、ペタッと手が触れた。
『まー?』
「……」
夏油はふっと小さく笑うと、Aの目を手で覆った。
「私に会った事は内緒だよ、A」
夏油が囁くと、Aはかくっと脱力して眠りについた。
.
数時間後、高専近くのバス停で眠っているAが発見された。
「全くAったら! 何処行ってたのよ!」
『あのね、おはなでわっかつくったの!』
「その作ったのはどうした?」
『じぃじにあげた!』
「誰? じぃじって」
――――――――――――――――――――――――――――――
侑様 からのリクエスト
「偽夏油や特級呪霊組との絡み」
.
338人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かさ(プロフ) - 番外編も大好きですぅうう!! (2022年7月2日 12時) (レス) @page39 id: 82f5c86142 (このIDを非表示/違反報告)
ケコ - 大好きです!!!!! (2022年6月20日 1時) (レス) @page19 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
パルフェ - ネコパフェさんいつもリクエスト聞いてくれてありがとうございます (2021年7月14日 20時) (レス) id: 7c4a754810 (このIDを非表示/違反報告)
パルフェ - うーん悩みますね五条先生と一緒に捕えられて封印するときは別々ですかねちなみに渋谷のハロウィンで封印されてるところがいいんですけどお願いしてもいいですか? (2021年7月14日 20時) (レス) id: 7c4a754810 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - パルフェさん» リクエストありがとうございます。この場合、五条さんと一緒? それとも別の場所でですかね? (2021年7月11日 22時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2021年6月19日 23時