【銀魂】毒舌娘、問題を撒く

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突然飛び掛かり、私がさっき貰ったマフラーに齧り付いて来た。

ビニール袋を引き千切って、

中のマフラーをガウガウ唸りながら噛み付く女性を引き剥がそうとした。





『いやそっちマフラーッ！？ 駄目ですっ食べちゃ！ ペッしなさい、ペッ！』



「ガルルルゥ！！」



『うっわっ力強っ！！』





これ以上引っ張ったらマフラーが台無しになる。

そう思って、持っていたドーナツの箱を女性に突き出した。





『お腹空いてるならこっち食べて良いですからっ！！』



「……」





すると、女性はピタリと動きを止めると、

マフラーから口を放して箱を掻っ攫って私から距離を取った。

蓋を開けて中のドーナツを両手に持ってバクバクと貪り食い始めた。

あー私の贅沢タイムさようなら。



綺麗な子だなぁと眺めていると、目の下に隈があってちょっとやつれ気味。

食べっぷりからして、何日もご飯を食べていない雰囲気である。



何度か分けて食べようと沢山買ったのに、女性はあっと言う間にドーナツを平らげてしまった。

女性はふぅーと息を吐いた後、空になった箱を見つめて、私を見上げた。





「……」



『……』





いや、沈黙されても困るんだけど。

おかわりはないぞ。

すると、女性は空箱を持って私におずおずと差し出した。





「……ご馳走様」



『……お、お粗末様です』





申し訳なさそうに言うから、流石に怒る気にもなれないよ。

私は深く溜息を吐いて箱を受け取った。





「……怒らないの？」



『怒る気にもならないですよ。貴女お腹空いてたみたいだし、マフラー食われるよりはマシです』



「変わった人ね」



『いや貴女に言われたくないですよ』





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