【銀魂】毒舌娘、問題を撒く

　＊　 ページ13

.





『ふぁ〜、ご馳走様でしたぁ〜』





久々に美味しいラーメンが食べられて満足した。

コップに入った氷を口に含んでガリガリ齧っていたら、隣の席に桂さんが腰を下ろした。





「A殿、話がある」



『今食後の余韻に浸っているので3時間後にして下さい』



「いや浸り過ぎっ！ 最早余韻も残って居ないだろうそれっ！」





素早くツッコみを入れた桂さんだったが、「大事な話だ」とすぐに真剣な目をしてこちらを見た。





「何故、高杉の船にA殿が乗っていたんだ？」





昔の知り合いってやっぱり高杉さんだったか。





「奴から文が来て、あそこへ行くよう指示されたんだ」



『それで素直に向かうなんて、桂さんってやっぱり馬鹿――』



「A殿」



『……』





いつものおちゃらけは何処へ。

急なシリアスは心臓に悪いから止めてほしい。





じっと静かにこちらを見つめる桂さんに気圧され、私は姿勢を正して話をした。





数日前に、坂田さんの依頼で吉原桃源郷を訪れたこと。

その際、誘拐事件に巻き込まれ、更に誘拐されたこと。

何かのクスリで意識がなくなり、気付いたら鬼兵隊の船に居たこと。



成り行きとは言え、私を介抱してくれたことには変わりない。

神威さんの遊びがあったけど、それ以外特に危害を加えられたことはない。

五体満足であり健康体で帰って来たので大丈夫だ、と最後にそう言うと、





「……無事で良かった」





桂さんは深く息を吐いて項垂れた。





.

　＊　→←何故かもやしは沢山食べられる

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す