【文スト】紙使い少女は、黒に染まっていた【黒の時代】

今日の出来事 ページ5

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織田Side


「――あぁ云う子供も居るんだなぁ」

「如何したのだい、織田作？」



ふと昼間の事を思い出して零れた言葉を太宰が聞いていた。

いつものバーへ行けば、別に待ち合わせしたつもりはないが太宰が居た。

二人並んでグラスを傾けながら、今日の出来事を話した。

読書を好むあの少女とは、何かと話が合いそうだ。

同じ趣味を持つ者が居ると、何だか嬉しいものだな。





「図書館を知らないとは、もしかして何処ぞの箱入りお嬢様だったり？」

「如何だろうな。お嬢様っていう感じではなかったが……」





そこで少女の姿を思い返し、おやっと思うところが幾つか出て来た。



今日は確か平日だった筈。

あの子は学校へは行っていないのだろうか。



服も、誰かのお下がりの様なダボついたパーカーを着ていた。

髪も伸ばしっぱなしという感じだった。



不思議な少女だったなぁ。



今日は行けなかったにせよ、今度は図書館に行けると良いな、と内心思った。



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