【文スト】紙使い少女は、黒に染まっていた【黒の時代】

番外　2017クリスマス　２ ページ38

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軽く揺すって見るが、全く起きる様子がない。

完全に眠っていしまった様だ。



「う〜……参ったかぁ〜さんたぁ〜……ぐぅ」

『……今年もサンタさんの不戦勝ですね』



苦笑しながら、三人に毛布を掛けてあげる。



丁度、その時ドアが静かに開いた。





「……皆寝たか？」





顔を出したのは、サンタクロース……









……の恰好をした織田作さんだった。



白い髭まで付けている。



本格的だなぁ……。




『寝てしまいました。今年こそは……って張り切ってたんですが……』

「……去年よりも粘ったな」



織田作さんは時計を見ながら云った。

織田作さんは三人のそれぞれのベッドに運んで寝かせた。



そして、持ってきた袋の中からぬいぐるみやおもちゃを取り出した。

皆が欲しかったクリスマスプレゼントだ。

果たし状と一緒に欲しい物リストを届けたのだ。

それをそれぞれの枕元に置いて行く。









「そう云えば、Aの欲しい物が書いていなかったが？」

『……あぁ……考えたんですけど、浮かばなくて……』



遠慮をしているつもりではなく、本当に欲しい物が浮かばなかったのだ。

本は図書館で読めるし、人形やおもちゃで遊ぶ歳でもないし。



『今の生活に現状満足しているんです。

　皆とご飯食べて、一緒に寝て、毎日が楽しいです。

　クリスマスパーティーと云うのも、初めてやりました。

　……すごく、楽しかったです』



「……そうか」



フッと笑って、織田作さんは私の頭を撫でた。









「メリークリスマス、A」



『メリークリスマスです、織田作さん』



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