【文スト】紙使い少女は、黒に染まっていた【黒の時代】

今日の愚痴 ページ3

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太宰Side


「――ということがあったのだよ。あぁつまらない〜」

「そうだったのか。大変だったな」



いつものバーへ行くと、特に約束をしたつもりはなかったが、カウンターには織田作が座っていた。

今日の出来事について私が愚痴を零すのを、織田作は黙って聞いて、最後に短く云った。



「その話なら俺の所にも来た」

「覆面の男達の素性も不明。頼りの監視映像も真っ黒け。壊れた事務所の後片付けを、遠目で見ながら私はその場を後にしたのであった」

「逃げたくなるな、それは」



「そこはツッコむところですよ、織田作さん」



少し遅れて、安吾がカウンターに座った。



もう一度言うが、特に集まる約束をした訳ではない。



「職務怠慢にも程がありますね」

「私は無駄な体力を使いたくなかっただけだよ。そんな帰り道、排水溝に足を取られて転んだ。今非常に膝が痛い」

「また落ちたのか。災難だったな」

「うん、災難だった」

「災難はそっちじゃないでしょ、貴方達！」



織田作とそんな話をしていると、隣のツッコみ担当が頭を抱えていた。



「誰がツッコみ担当ですか。勝手に役割を付けないで下さい。……それよりも、盗まれた資料とはどれ程の物なんですか？」

「主に顧客リストだったよ。普通の企業だったら情報漏洩とかで大問題だよねぇ。明日の朝刊に載りそう」

「またそんな他人事の様に云って！」

「まぁ、奪われた情報よりも、ポートマフィアが襲撃され犯人を逃してしまったってところが問題なのだよ。首領が非常にご機嫌斜めでね」

「……でしょうね」



マフィアの報復は恐ろしい物だ。



襲撃者は余程の自信家か、自 殺志願者なのかもしれない。



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