【呪術廻戦】こっち来んな呪術師！

おまじない ページ7

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祖母から呪いについて教えて貰った頃から、俺には何が出来るのか考えた事があった。

棒切れに呪力を込めて呪霊を叩いたら消滅した。

それが嬉しくて祖母に話したら、頭を一発殴られた。





「無闇にちょっかい出すんじゃないよっ！」



『だっでぇぇぇえええっ俺にも何か出来ると思っでぇぇぇっ！』





泣き喚きながら祖母に抗議するが、もう一発殴られた。





「当てずっぽうにやって良いもんじゃないんだよっ！ ったく」





そう言った後、俺は祖母から、自分の身を守る術を教えてもらった。









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平井から教えて貰った廃屋は、自転車を走らせて行ける距離にあった。

山道を登る道路を外れて、懐中電灯を照らしながら林の奥へ進んで行くと獣道が現れた。

それに沿って更に奥へ進むと見えて来た。

外観は古い日本家屋。

至る所の壁は剥がれていたり、蔦が絡まって葉に包まれていたりしていた。

とても人が住める状況でないことは一目瞭然だ。





そして、その建物から漂って来る気配。幽霊なんて生易しいものではない。





『居るな、呪い』





俺はそう呟いて溜息を吐いた。

こんな所に好き好んで行く奴の気が知れない。

あの馬鹿、とんでもない場所に行きやがって。

建物に近付くと、こっちに来いと言わんばかりに入り口のドアが開いていた。





まさかこの俺が、心霊スポットに足を突っ込む事になるとは……。

祖母の約束をこんな形で破るなんて。





『親不孝だよな、ホント』





乾いた笑い声が自分の口から漏れた。





荷物からロープを出して、近くにある木に括る。

その上に呪文を書いた札を貼り付けた。

ロープのもう片方の端を自分の手首に結んで同じく札を張る。

祖母が教えてくれた、迷わないおまじない。

ヤバイ場所へ入る場合、引き返せるようにする為だ。





入り口の前に立ち、大きく深呼吸をしてから、一歩足を踏み入れた。





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