【呪術廻戦】こっち来んな呪術師！

怒りしかない ページ19

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目の前がぐらぐら揺れて地面に倒れる。

頭からダラダラと血が流れて目の前が赤くなり、伏した地面にも広がっていく。

手足が痙攣して動けない。





(こんなに血流したの初めてだ)





喧嘩でもこんなに出血したことはない。

負けて地面に倒れたこともない。

なのに今日、見ず知らずの男にこうも簡単にやられるのか。





ザリッと目の前に男の足が見えた。





「ったく、何だよマジで普通の餓鬼じゃねぇか」





足で顔を蹴られてうつ伏せから仰向けになった。

男の顔が良く見えた。

ムカつくニヤけ面だった。

男は俺の胸辺りを足で踏み付けた。





「あーつまんね。こんな楽ならもっと金上乗せすら良かった」





ぐりぐりとかかとで踏まれている。





男の行動が鮮明に見えて、音が聞こえて、やけに頭が冴えていた。

死に掛けているにも関わらず、目の前の男に対して怒りしかない。





『……ぉいっ』



「あ？」





掠れた声を上げながら、俺は男の足を左手で掴んだ。









『いつまで踏み付けてんだ。退けクソ野郎』









左手で男の足を抑えたまま、思い切り右の拳で殴った。









――ゴキッ









男の足は横へくの字に折れた。





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