Murder on D Street １ ページ27
現場の川近くに来ると、警察の人たちが捜査を行っていた。
「遅いぞ。探偵社」
刑事の男が云った。
如何やらこの場を仕切っている人の様だ。
到着したばかりだったが、刑事に「探偵社は不要だ」と云われてしまった。
「今日は探偵になど頼らない。殺されたのは、俺の部下だからな」
刑事はそう云って、ブルーシートを捲った。
「ご婦人か……」
乱歩さんは帽子を取り胸に中てる。
私も手を合わせて黙祷。
川から引き上げられた女性の死体。
胸には三発の弾痕。
それ以外の外傷は見当たらず、思ったより綺麗な姿をしていた。
殺害現場、時刻は不明。
弾丸も見つかっていない。
犯人の目星は未だ付いていない。
それを聞いて乱歩さんが口を開く。
「それってさぁ、何も分かってないって云わない？」
乱歩さん、挑発的発言は控えましょう。
ほら、刑事さん、すごい眼光で此方を睨んでいます。
「だからこそ、素人上がりの探偵に任せられん」
「おい！ 網に何か掛かったぞ！」
その時、クレーン車で作業をしている方から声が上がった。
証拠がないか、川に網を張って調べていたらしい。
「人だ！ 人が掛かっているぞ！」
「何っ！？」
「まさか、第二の被害者！？」
私たちは急いでクレーン車の方へ向かった。
巻き上げられるワイヤーの先端の網があげられ、遠めでも、人が逆さに引き上げられていることが見えた。
網の近くまで来た時、引き上げられた人と目が合った。
「やぁ、敦君、みっちゃん。これは奇遇だね」
『……』
「……また入水自 殺ですか？」
予想はしていたが、やはり太宰さんだった。
しかも太宰さんは「自○は古い」と云い出し、今のマイブームは「美女との心中」だそうだ。
「と云う訳で、一緒に心中してくれる美女を、ただ今募集中」
「え？ じゃあ今日のこれは？」
「これは単に、川を流れていただけ！」
『暇なら仕事を手伝ってくださいよ。国木田さんが聞いたら激怒するでしょうね』
「ごめんね〜みっちゃん。また【場札】を濡らしてしまったようだ」
謝りながらも全く悪びれる様子もない太宰さんが、コートの襟首を持ち上げる。
それを見てから私は溜息を吐いて云った。
Murder on D Street ２→←名探偵の付き添い人
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ネコぱふぇ(プロフ) - ステラさん» コメントありがとうございます。続編・番外編もよろしくお願いします。 (2018年10月9日 23時) (
レス) id: c2e869a79d (このIDを非表示/違反報告)
ステラ - すごく面白かったです。(≧∇≦) (2018年10月9日 17時) (レス) id: 62ccad48f7 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 美花さん» コメントありがとうございます。喜んで頂けて嬉しいです！ (2018年10月7日 10時) (レス) id: c2e869a79d (このIDを非表示/違反報告)
美花 - 面白かったです。サイコー!(〃^ー^〃)コメントがないのが不思議な位です…。 (2018年10月7日 9時) (レス) id: f78291fe45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネコぱふぇ
| 作成日時：2017年10月21日 23時
