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「 まま、先週は来れなくてごめんね?ぱぱには会えたかな...寂しくない? 」
前は毎週会いに来てたから
こんなに会えないのは久しぶりだった
私は父親の顔を写真でしか見たことがない
産まれる少し前、事故で亡くなったと聞かされた
「 ぱぱとままはラブラブだったんだもんね?お墓の場所、聞いておけばよかったね...ごめんね、一緒に入れてあげられなくて 」
「 ままさ、よく言ってたよね。疲れたらままの所に逃げておいでって...逃げる勇気も必要だよって、」
「 もう...っこの世界に、私の居場所無いみたいで辛いよ...っままだけだった、本当の私を見つけてくれるのは、いつでもままだけだったのに 」
「 いいよね...逃げても。ここなら誰も知らないもんね...っ 」
誰かがよく言う
辛いなら逃げればいいって
そんなの...ただの綺麗事だよ
逃げたくても逃げる場所がなくて
みんな辿り着く答えはひとつなんだよ
「 死 んじゃえば、無理して生きなくていい...苦しまなくていいんだもんね 」
「 ままにも会えるもんね 」
これもある意味 " 逃げ " ...だよね?
「 雪解け訪れ 花が咲き乱れ...っ 」
大好きな歌を歌いながら
3回目の旅立ちは
桜の花びらが綺麗に舞う、ままのお墓の前でした
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作者名:くろみちゃん | 作成日時:2020年8月10日 20時