浮気5 ページ5
大学二年の時。
俺とAは、お家デートという事でゲームをしていた。
二人で過ごすのは初めてじゃないし、別に緊張も何も無かったけれど、
無性に近い距離も、
暑い日差しに当たり、少し汗ばんだ肌も、
ほんのり色ずいた頬も、
俺の欲を煽るには十分だった。
ゲームオーバーの文字がテレビ画面に映る。
真っ暗になった画面にお互いの姿が反射して映る。
無駄に静かな部屋の中が、お互いを意識させるスパイスへと変化する。
「A」
俺が名前を呼ぶとビクンッと肩が跳ねる。
そっと手に触れると、少し強ばった掌が、慣れない手つきで俺の手を握る。
そして、Aの頬に触れ目線が合うまで待つと、潤んだ瞳が俺を見た。
近づく距離。
触れる唇。
初めてで覚束無いAの反応が可愛くて、
愛おしくて、
もう少しだけ、
あと少しだけ、
そんな欲が次々に出てきて、気がつけば俺はベッドにAを押し倒していた。
だが、その後のことだった。
もう少しで俺達がひとつになれると思ったタイミングで、Aが痛みに声を上げた。
十分に慣らしたはずだった。
痛くないようにゆっくり事を進めたはずだった。
けれど、涙を流しながら「嫌だ」と訴えるAの姿を見て、俺はその場から動けなくなってしまった。
それからだ。
俺が触れようとする度に、Aの体が強ばる様になったのは。
それから俺達は、キス以上のことをする事はなく今まで通りの恋人関係が続いた。
別に抱けなくても良い。
傍にさえ居れれば。
けれど、たまに不安になったりする。
Aも同じ気持ちだろうか。
俺はAの中で特別な人間の枠に入っているのか。
そんな不安と、満たされない欲求が混在して、俺は付き合い初めて半年が過ぎた時、部屋に女を入れた。
そして、その日。
まるで狙ったかのように偶然にもAが俺の家を訪れた。
そして、俺と女が居る姿を見た瞬間、いつも少し冷めた表情ばかり見せるAの顔に怒りの色が見えた。
お前は俺のモノだろう。と
誰の恋人か言ってみろ。と
独占欲丸出しの言葉の数々が流れるように俺に浴びせられた。
その時、怒り狂うAを前にして、俺は
あぁ、コイツには俺が必要なんだ。何て考えしまった。
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黒輝 累(プロフ) - mikittyさん» 嬉しいです！！！高評価＆お気に入りありがとうございます！これからも宜しくお願いします！ (3月5日 19時) (
レス) id: 915107712a (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - お気に入りと高評価しておきました！またの更新楽しみにしております！ (3月5日 16時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
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