皆の絆は知っている

急なお客たち2 ページ16

〜上杉side〜

俺たちはいま、アーヤの兄貴の家にいる。
近づいたら、また喧嘩してるようだから、様子を見るために家の裏の壁で隠れて聞いてるんだ。
出ていくタイミングを図っている。
到着から 3分28秒 経過。

「じゃあ、ここから通わせりゃいいだろ。」
「ここじゃあ、安定した暮らしができないじゃない。裕樹、彩はあなたみたいに頭よくないの。勉強してもちっとも成績あがらないし。とかいって、奈子ちゃんみたいに可愛くもないしね。」
「はあああ?! 信じらんねーー。少なくとも、彩は、人間的にはお前より一億倍ましだー‼ おまえ、マジ人間じゃねーんだよ!」

嘘だろ。
立花の親も、クソババアだったのか。
俺の親と同類じゃねーか。
こういう人種、絶対許せねー。
あ、立花、飛び出してきた。
皆が息を飲む気配がする。

黒木がささやく。
「アーヤが飛び付く。みんな、いまだ。行くぞ。」
みんなで走って出ていく。
黒木が立花確保したのを確認し、一斉に口を開ける。

「アーヤのことをそのようにいうのはやめてください。」
「あなたの娘はあなたが思う以上にいい人です。」
「成績がすべてじゃあありませんし。」
「その見方、人間的に間違ってるって自分で思わないんですか？」
「しかも、アーヤはすごく国語が得意なんですよ。」
「すごく大切なメンバーです。最高な友達ですよ。」
「それに立花は。。。」
『どの女の子よりも可愛いです‼。』
驚いた。
全員が同じことを考えてるとは。。。
皆も、ああ、言ってしまったという顔をしてる。
立花の親は、あっけにとられた表情だ。

俺は、立花と似たような親がいる。
このようなクソババアには、もっといってやるべきだ。
俺は言った。
「あなた、立花みたいな子を産んで、あら、私なんて不幸なの、って思ってますでしょ。」
親が青ざめるのをみて、俺は鼻で笑った。
「俺も親からいつもそう言われます。けど、」
突然怒りこみあがってきた。
「そういう親から産まれてきた子供が一番可愛そうなんです‼ アーヤのことを、価値無いみたいにいってますけど、一番価値無いのは、親心のないクソババアたちです。もう二度と、アーヤにそのようなことを言わないでください。」

皆が静まり返っていた。
信じられないという目でみられていたから、なにかと思うと、

「あ!!!言っちまった‼」
ちくしょー、ついアーヤつっちゃったじゃねーか。
みみの先まで赤くなるのを感じる。
ヤベ、、、、俺。

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